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小学生の予習・復習の仕方とタイミング【予習・復習の効果】

小学生で予習や復習は特に必要ないと思われている親御さんも多いと思います。

中学生や、大学受験を控えた高校生に比べれば、多くの場合、小学校の学習内容で予習や復習はあまり必要ないかもしれません。

 

ただし、今年度(2020年5月現在)は、感染症拡大の影響で多くの小中学校で4月、5月の大部分が休校となりました。

本来であれば、ゆっくりと学校で時間をかけて学習すべき内容が、この2か月間の休校分を取り戻したいという反動から、学校再開後、もしかしたら短期間にギュッと圧縮した形で、授業が進んでゆく可能性もあります。

 

そういった状態でも、何とか学校の授業についてゆける子を応援したいと思い、今回は小学生レベルでの予習や復習のことについてまとめてみました。

小学校4年生で予習・復習の習慣が身についた1つの例

後ほど詳しく具体的な方法について説明したいと思いますが、小学生で自主的な予習復習の習慣が身に付いた例を紹介したいと思います。

 

私が家庭教師をやっていた時のことですが、勉強のやり方がわからない小学4年生の女の子を見ることになりました。

その1年後、「勉強が好きになって、自分で進んで自学自習できるようになりました!ありがとうございました!」ということで、家庭教師はクビになったことがあります。

 

家庭教師冥利に尽きる、理想的なクビです!

この時、私は、「教科書ワーク」を1冊、徹底的にやる方法を教えました。それだけです。

 

おそらく、その女の子は、もともと勉強が嫌いだったわけではないのだと思いますが、勉強のやり方がわかっていませんでした。

 

家庭学習自体が初めてということだったので、とにかく、あれもこれもといろんな教材には手を出さないようにして、これだと決めた1冊のワーク(教科書にぴったり即したワーク)を徹底的に予習と復習用として利用しました。

 

この1冊をきちんとやるということが、実はなかなかできないのです。

簡単そうで、けっこう難しいのが、1冊のワークを徹底的にやるということ。

 

学校の宿題が出ますから、まずは学校の宿題を終わらせて、その後、自主学習用のワークを行います。

習ったことの復習を中心に行って、次回習うところの予習をちらりと行います。

 

予習はちらりと、あんまり深く掘り下げず、「明日はどんなことをやるのかな?」と興味を少し持った状態で終えるくらいが、ちょうど良いと思います。

 

このように、この女の子が、宿題を終わらせた後に、約30分~1時間程度、毎日、復習中心で、ほんのちょっと予習をするという勉強のやり方を教えました。

 

そして、週に1回、私が指導する日に、「よく頑張ったね!」と褒めて応援をし続けることで、成績が上がり、自主学習の習慣が身に付き、私は1年後、理想的なクビとなったのです。

 

学校で授業を行う担任の先生や、子供さんの勉強を毎日応援するパパやママの影響など、さまざまな要因があると思いますので、その点、誤解されないようご理解いただければと思います。

 

予習と復習の効果について

 

予習の効果

予習はほんの少しだけ、明日は授業でどんなことをやるのかな?と、ちらりと教科書やワークの先のページをのぞいてみる程度でも良いと思います。

 

その理由は、少し内容を知っていることで授業が楽しくなるからです。

逆に全部知っていると、授業がつまらなくなってしまい、退屈して聞かなくなってしまいます。

 

例えば、アルファベットを少しだけ知っている子は、国語の時間にローマ字を習う時、楽しくて仕方ないと思います。

また、戦国時代を舞台にしたテレビゲームで遊んでいるような子は、歴史で戦国時代を学ぶ際に、興味を持って先生の話をうんうんと頷きながら聴いてしまうのではないでしょうか。

 

子供にとって、ちょっと知っていることは、親近感がわいて、もっと知りたくなります。

また、子供は、できることは楽しいと感じることも多いです。

 

できるということが楽しいと単純に感じてしまうので、できることが増えれば増えるほど、子供は自信がつきますし、学ぶことを楽しめるようになっていきます。

 

子供にとって、知っていること、できることは楽しいということを、親御さんもぜひ知っていただければと思います。

 

復習の効果

復習の一番の効果と言えることは、記憶の定着です。

くり返しによって、新しく学んだことは記憶に定着していきます。

復習が多ければ多いほど、しっかりと記憶に定着します。

 

ですから、計算ドリルや漢字ドリルなど、似たような問題がくり返し出てくるので、同じような事のくり返しに飽き飽きすることもあると思うのですが、それは、くり返すことによって、より記憶が定着するからです。

 

理想的な予習と復習の割合

子供は、わかることやできることを楽しいと思う人たちであると述べました。

子供が楽しいと思う授業の組み立ては、これまでの長年の経験からですが、「導入1割、定着3割、復習6割」くらいのバランスで組み立てることが適当ではないかと考えています。

 

復習は、もう既に知っていることですから、子供達にとっては「できるから楽しいこと」になります。

定着というのは、新しく学んだことを、ちょっと苦労しながら習得する時間です。

できることと、できないことの間にあるものが、定着の部分です。

 

そして、導入という部分は、子供達にとって未知のゾーンです。

これから習うが、今はまだ全然よくわからないことです。

 

この「導入」の部分を多くしてしまうと、子供達は授業についていけず、楽しく感じられないということが起こります。

楽しい授業と感じるには、わかることがたくさんあって、ちょっと難しいことも何とか取り組めて、そして、新しいことをほんのちょっとだけ知る。

このようなバランスの授業であれば、私の経験からですが、子供達は楽しく授業に参加できるのではないかと思います。

 

家庭でやるようにと学校から出される宿題は、授業で「定着」といわれる部分をおさらいするためのドリルやプリントが多いと思います。

授業中に、ちょっと頑張ってできるようになったことを、宿題を通して、記憶に定着させて、すらすらできるようにさせるためのものがドリルなどの宿題です。

 

大変面倒なことではあるのですが、1日~2日以内に新しく学んだことの復習を行うこと、そして、くり返し復習することによって、記憶に定着させる効果があります。

 

このようなことを総合して考えると、家庭での宿題以外の予習・復習の割合は、予習が2割程度、復習が8割程度くらいのバランスが、楽しく続けられるラインではないかと思っています。

 

小学生であれば、学校の宿題だけでも大丈夫だと思いますが、プラスアルファで、自主学習の時間を、30分~1時間程度設けて、自ら進んで学べる習慣を身につけておくことは将来のためにも有効だと思います。

 

予習復習が必要な中学校や高校に入った時に、自主学習の習慣を身につけていないと、突然苦労することになってしまうかもしれません。

 

予習・復習におすすめの教材

予習・復習・自学自習の初心者向け教材

これまで自学自習をしたことがないという、予習・復習初心者のお子様には、教科書に即したワークがおすすめです。

学校で学ぶ教科書にぴったり即したワークは、本屋で各教科のものが売られていますし、ネット購入も簡単にできます。

 

ただし、都道府県によって使用する教科書が異なることもありますので、ワークを選ぶ際には、しっかりお子さんの教科書のメーカーを確認してご購入下さい。

 

自主学習が初めてのお子さんには、あれこれといろいろな教材には手を出さず、学校の宿題、プラス、教科書ワーク1冊貫徹をおすすめしたいと思います。

小学生であれば、まずは、国語と算数の1冊ずつで挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

以下は、小学生の1週間の予習復習のおすすめ家庭学習プランです。

曜日 家庭学習のプラン
月曜日 宿題
(ドリルやプリント)

国語の教科書ワーク(30分程度)
復習2ページと予習1ページ

火曜日 宿題
(ドリルやプリント)

算数の教科書ワーク(30分程度)
復習2ページと予習1ページ

水曜日 宿題
(ドリルやプリント)

国語の教科書ワーク(30分程度)
復習2ページと予習1ページ

木曜日 宿題
(ドリルやプリント)

算数の教科書ワーク(30分程度)
復習2ページと予習1ページ

金曜日 宿題
(ドリルやプリント)

国語の教科書ワーク(30分程度)
復習2ページと予習1ページ

土曜日 好きな科目の自主勉強 創造型・体験型の学習
日曜日 好きな科目の自主勉強 創造型・体験型の学習 

 

子供の自主学習には、パパやママの応援がカギとなります。

問題が解けたことや、点数が良かったことを褒めることも大切だとは思いますが、それよりも、自主学習を続けられたことをより重要視して褒めてあげてほしいと思います。

 

費用を多少かけられるのであれば、家庭教師などに依頼して、応援してもらうことも良いと思います。

 

予習・復習に慣れた上級者向け教材

予習・復習にもう慣れたというお子様には、更にレベルアップして、通信教育の教材などもおすすめです。

ちなみに、私は、小学生から大学受験する高校生の時まで、ずっとチャレメでした。(わかる人はわかると思います!)

進研ゼミのチャレンジをやっている人をチャレメと呼んでいましたね。

 

もっと上を目指したいと思っているお子様も多いと思いますので、そういう子供さんには通信教育がおすすめです。

最近は、ベネッセさんの進研ゼミに加えて、リクルート社のスタディサプリ、その他も多くの学習教材があふれていますね。

費用もかかりますし、子供さんの能力や好みもあると思いますので、十分に費用や適性を考慮して、選んであげていただきたいと思います。

 

私はチャレンジが合っていましたが、合わない子もいますので、十人十色であるということをしっかり理解した上、子供さんに押しつけることがないよう、意見を尊重して教材を選んであげてください。

参考までに、大手2社のリンクを載せておきます。

 

進研ゼミ チャレンジ(ベネッセ)

スタディサプリ(リクルート)

 

大人になっても仕事で「予習・復習」は必要

子供の予習がテーマですので、ちょっと脱線しますが、大人になっても予習はついて回りますよ!という話を付け加えたいと思います。

 

例えば、営業職に就いておられるパパやママでしたら、共感できると思いますが、営業マンの方であれば、営業先の企業を訪問する際、良い提案をできるように、ものすごくその相手企業について予習すると思います。

 

訪問先の担当者のことや、業界のこと、部署のことなど、あらかじめ様々な方法で調べたりして、商談が上手くいくように、できる限りの準備をするだろうと思います。

 

また、商談が進むにつれ、以前に話をした内容をしっかり復習して、相手の意向に沿った良い提案ができるように、次の面談まで用意周到、様々な準備を行いますね。

 

例えば、こんなある企業の営業マンが自分の会社に来たらどうでしょうか?

自分の会社のことを何にも知らない上、とんちんかんな質問をしてくる営業マン。

決してこの営業マンからは買いたくないと思ってしまうのではないでしょうか。

 

逆に、一生懸命、自分の会社のことを調べて、以前に伝えたことをしっかり覚えてくれていて、かゆいところに手が届くような提案をしてくる営業マン。

こちらの方が、信頼に値しますし、印象がとても良いですね。

 

仕事の現場では、さすがに予習・復習という言葉は使いませんが、やっていることは学校で行う予習・復習にけっこう似ています。

 

新しい仕事を始める時、会社の新人研修でも、毎日新しいことやスキルアップのためのことを学ぶわけです。

今日習った内容をレポートにまとめよ!とか、調べたことをプレゼンテーションとして発表せよということもよくありますね。

 

つまり、予習・復習というものは、大人になっても、どんな仕事をする上でも、常に付きまとうものだということです。

 

ですから、学校にいる間だけ予習・復習をすれば逃げ切れるという訳ではなく、大人になって社会の一員となっても、大切な事であることは子供のうちから知っておくことも大切だと思います。

 

たかが予習復習ですが、将来の成功につながるかどうか、子供の頃から習慣をつけることで、差が出るものではないかと思います。

 

予習・復習の他に大切なこと

子供の時期というのは、さまざまなことを吸収する大切な時期です。

学校の勉強ももちろん大事ではありますが、それ以外の社会勉強も大事だと思います。

できるだけ多くのことを体験したり、何かを作り出すといった創造的な活動を通して、学校で学ぶこと以外のことも学んでほしいと思います。

 

特に、これからは、AIの時代ということで、時代の変化に伴い、創造性や思考力、表現力といった、これまでのインプット型の教育では身につけにくかった能力の開発が求められてゆくと思います。

 

習い事

習い事など、何か1つ得意なことを継続してスキルアップすることも、きっと将来役立つことになるでしょう。

習い事にも向き不向きがあるので、時間を忘れて取り組めるような大好きなことを継続すること、おすすめします。

 

お友達と遊ぶ時間

勉強ばかりで、お友達との人間関係を築けないと、それは大人になって苦労することになるでしょう。

人間というのは、社会的な生き物ですから、1人では決して生きていけません。

 

ですから、お友達と話す時間、遊ぶ時間、そして時には喧嘩してしまうことがあっても、人との距離をうまく保つためには大切な経験となります。

お友達と過ごす時間も、しっかり大切にしたいですね。

 

文化的な経験

美術館や博物館に行ったり、科学の実験をしたり、体験イベントに参加するなど、子供のうちにさまざまな文化的体験をすることは、遠回りに見えますが、学校での学習にも良い影響があると思います。

 

例えば、教科書だけで学ぶよりも、体験をしていることで、新しく学ぶことがすんなり吸収できたりします。

 

恐竜博物館で、さまざまな化石を見たり、発掘体験をしたことがある子供さんは、学校で地層の勉強をする時に、イメージがつきやすいでしょう。

望遠鏡で月の観察をしたことがある子供さんは、中学理科で、月の満ち欠けや天球の内容を学ぶ際に、理解しやすいでしょう。

 

様々な場所に出かけて行き、その土地の知識が多少なりあれば、生の経験と照らし合わせて、教科書で地理や歴史を学ぶ際の勉強に役立ちます。

 

読書

読書は、本当に多くのことを学べる方法です。

読書に関しては、このブログ内に「読書カテゴリー」を設けていますので、そちらもご覧ください。

 

本のジャンルもさまざまですから、興味のあることから取り組んだらよいと思います。

マンガも含めて、何かを読んで理解する時間を、毎日一定時間設けることは本当におすすめします。

 

様々な人とのコミュニケーション

お友達や身近な大人の人とのコミュニケーションも大切にしてほしいです。

人間関係力は、大人になっても、いつまでたっても非常に重要な、身につけるべき力だと思います。

 

最初からうまく人間関係を構築することはできませんので、多くの失敗や経験を通して、徐々にコミュニケーション力やマナーなどを身につけていってほしいですね。

 

困難を乗り越える体験

豊かになった日本で、何不自由なく過ごせる現代ですから、困難を乗り越えるといってもイメージがつきにくいと思います。

しかし、例えば、震災が来たり、豪雨による災害などが起こる可能性が常にあります。

 

将来、困難にへこたれない強い大人になっていくためにも、困難なことから逃げるのではなく、何とか工夫して前向きに取り組む姿勢を育てていく必要もあると思います。

 

アウトドア活動や、防災関連のイベントなど、また、ボランティア活動に参加するなど、ちょっと不便な事にも積極的に挑戦してみることも良いと思います。

 

予習・復習のやり方・まとめ

今回は、小学生の予習というテーマで、予習と復習の効果や自主学習の方法についてご紹介しました。

できることが増えると、子供さんの学習も楽しくなるのではないかと思います。

1つの例として家庭学習のヒントとなれば幸いです。

 

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