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小学生の先取り学習の弊害について知ろう!早ければ良いとは限らない

2018年11月30日

中学受験を考えているご家庭では、早いうちから受験勉強をするために、次の学年の先取り学習をしておいた方が良いのではないかと思っている親御さんもいると思います。

 

しかし、先取り学習をする際に、注意しておきたいこともあります。

何でも早く学習すればいいというものではありませんし、学習のやり方によっては時間と労力の無駄になってしまうこともあります。

 

今回は、ただ先に進むことを焦って先取り学習をさせることの弊害についてお話したいと思います。

 

先取り学習とはどのようなことか

先取り学習については賛否両論、色々な意見があります。

そもそも先取り学習って何?と思う方もいるかもしれませんが、簡単にいうと学校ではまだ習っていないことを先にやってしまうことです。

 

例えば中学受験を考えている方は、早めに受験勉強に専念させるために、学校でやるような基礎的なことはさっさと済ませてしまいたいと思うでしょう。

 

進学塾などでは受験を踏まえて、学校よりもどんどん先に進んでしまうことがあります。

また、公文では、その子の理解度に合わせて1学年も2学年も先に進むこともあるのだとか。

 

普通は、学校の授業についていけていれば何の問題もありませんが、状況によっては先取りしたいと思う親御さんもいますよね。

 

小学生の先取り学習の弊害とは

先取り学習が全て「悪」ではないのですが、これはやり方次第です。

親の気持ちが焦ってしまうと、数年後に「やらなかった方が良かった」ということになりかねないので、とても注意が必要です。

 

では、誤った先取り学習にはどのような弊害があるのでしょうか。

 

学校の授業がつまらなくなる

塾や通信教育でどんどん先取り学習をしてしまうと、学校で授業を受ける時は「すでに知っていること」になってしまいますね。

 

それでも、周りのみんなと一緒に、きちんと問題を解いてみるとか、知っていることでも知らない振りをしてしっかり先生の話を聞ける子であれば問題はありません。

 

しかし、「こんなこと、もう知ってる」と思って、学校の授業を聞かなくなってしまう子がいます。

 

小学校は基礎固めをするところです。

たとえ知っていることであっても、基礎をおろそかにしていると、後々学力が伸びなくなってしまいます。

 

暗記型の勉強法が身についてしまう

例えば、新しい漢字をどんどん覚えたり、算数の計算のやり方をどんどん覚えたりして、「できた」ような気になってしまっているのですが、そこが落とし穴です。

 

勉強は「やり方」だけ覚えればいいものではなくて、高学年になるほど「考え方」が大事になってきます。

 

問題の解き方だけをを重視した先取り学習ばかりしていると、基礎を踏まえた上で「どう考えるか」という、思考力を問われる問題がだんだん解けなくなってしまいます。

 

勉強の楽しみがわからなくなる

機械的に勉強を先取りして進めていく、そのこと自体に「考える」楽しみがあるでしょうか。

 

勉強は、基礎を学んだ後にちょっとひねった応用問題が出てきますよね。

でもそれは、すごくよく考えないとわからない。

 

そのわからない問題が自分で解けた時というのは、実に気分が爽快で楽しいものです。

しかし、機械的な勉強からはその楽しみが感じられません。

 

勉強自体が嫌いになってしまう

子供本人が「なぜ先取りしないといけないか」という理由、先取り学習の必要性がわかっていないと、単なる詰め込み学習になってしまいます。

 

勉強は本来とても楽しいものなのに、「こんなことばかり覚えたって」と勉強自体が嫌いになってしまう可能性もあります。

 

小学生のうちは基礎をしっかり固めることが大事

小学生のうちは、基本的には先取りする必要はありません。

 

それよりも、基礎をしっかりと固め、深く掘り下げて学んでいくことの方が大事です。

 

計算は早ければいいわけではない

例えば、難しい計算問題。

2年生では習っていない4年生の問題をすらすら解ける。

 

それはそれで素晴らしいことなのですが、そんなに急がなくても4年生になれば自然にできることです。

ですから、誰でもその年齢になって学校で習えばできることを、わざわざ先取りする意味はあまりありません。

 

特に、低学年のうちに、難しいことを無理して先取りする意味はあまりなく、3年生くらいまではとにかく基礎固めを重視しましょう。

 

簡単な計算でも良いので、数の概念をしっかり理解すること。

そして、指などを使わなくても「この数字に何を足せば10になるのか」というようなことを瞬時にわかるように、反復練習を徹底してやることが大事です。

 

応用できることが大事

小学校の特に低学年は、今やっている基礎的なことを反復して、何度も反復して、そして中学校、高校で学ぶことに備えての基礎的な学力を固めていく時期です。

 

ですから、先取りを急いでするよりも、基礎から応用への準備ができれば十分だと思います。

 

そのためにはやはり、機械的な計算能力などではなく、「概念」が理解できることがとても大事になってきます。

 

うちの子は頭がいいから学校の授業がつまらないなんて思う親御さんもいるかもしれませんが、それなら先取りをするのではなくて応用問題を徹底して、深く学ぶことをおすすめします。

 

先取り学習の弊害・まとめ

早く、他の子よりも先に勉強することがすごいのではありません。

小学校は基礎的な学力を定着させることが何より大事なので、難しいことをやるよりも簡単なことをしっかり理解できていることの方が大事です。

 

たまに少し先のことを知っているからといって「うちの子、すごいの!」と勘違いしてしまっている親御さんがいますので、そうならないようにしたいものです。

 

中学受験を考えていないのであれば、無理に先取り学習をする必要はないことを覚えておいてください。

 

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