出産する前は「子供を産んでもバリバリ仕事を頑張っていたママも、いざ産んでみると「こんなはずじゃなかった…」と思うことがたくさん出てくると思います。
育休をとったのはいいけれど、実際に出産をして子育てを始めてみたら、これはあまりに大変で仕事復帰どころではない、と思うママもいらっしゃるでしょう。
復帰するつもりで休みに入ったのに、復帰と同時に辞めてもいいものか、悩んでいるママのためにその是非と、角が立たない退職理由についてまとめました。
スポンサーリンク
育休明けで退職するのは法的には問題なし
育児休業とは「育児・介護休業法」という法律によって定められています。取得できる条件は、
1歳に満たない子供を養育している労働者
1年以上同一の事業主に継続して雇用されている
子供が1歳6ヶ月以降も継続して雇用される予定であること
となっています。
正社員でなければ取得できないのではなくて、非正規雇用であっても上記の条件を満たせば原則として取得できます。
これまでは保育園に入れないなどの理由があれば子供が1歳6ヶ月になるまで延長が可能でしたが、平成29年の改正により2歳まで延長が可能になりました。
復職が前提ではあるけれども
育休が終わったら「必ず復職しなければならない」というような規定はなく、もちろん罰則もありません。
ですから、法律的には育休後の退職は可能です。
実際に復帰する前に退職しても、復帰してすぐに退職しても何ら問題はありません。
育児休業手当も雇用保険から出ているもので会社が支払っているものではありませんから、返還の必要はありません。
厚生労働省の「平成27年度雇用均等基本調査」の『育児休業終了後の復職状況』によりますと、7.2%の女性が育児休業終了後に退職をしています。
外部リンク調査結果の概要
これが多いか少ないか。
それは捉え方によると思いますが、実際に辞めている人がこれだけいるということですね。
スポンサーリンク
角が立たない退職理由は?
周りの人は育児休業から復帰してくるものと思って待っているわけですから、たとえ法的に問題はなくても、マナー的に問題があると感じる人もいるでしょう。
どのような職場かによりますが、退職理由は正直に言わない方がいい場合もあります。
角が立たず、周りの人も納得してくれるような理由を伝えた方が円満退職できますね。
保育園に入園できない
これは一番現実的な理由ですね。
実際に、入園できずに復職できないという人もいると思います。
また、保育園には入れるかもしれないけれど、家や駅などから近いところは全く空きがなく、遠いところしか空いていないとなると、本当にそこに入れても大丈夫かと考えてしまいますね。
保育園に入れたとしても通勤や送り迎えが大変になるなら、そうまでして復職するか悩むところです。
無認可保育園は保育料が高いですし、近くの認可保育園に入園できないというのは退職の理由としては誰もが納得する理由だと思います。
子供の身体が弱い
実際に子育てをしてみたら、子供が思いのほか身体が弱くて風邪ばかり引いているということもあるでしょう。
このままだとしょっちゅう仕事を休むことになってしまうため、職場に迷惑をかけるから、という理由で退職に持っていく、という方法もあります。
周りが皆、子持ちのママで、みな早退や休暇を取っているならまだしも、そうでない職場が多いですよね。
子育てをしながら働くことに理解のない人も多い職場であれば、すんなり通る理由だと思います。
誰かに見てもらうなどなんとかならないのか?と引き止められた場合は、
親に見てもらうのは無理
病児保育などが遠くて利用しづらい
などの理由を話せばわかってもらえると思います。
両立することが無理
育児は想像以上に体力を使う仕事です。
会社で仕事をしている方がずっと楽なものです。
自分の体調不良もあり、育児と仕事を両立していくことが体力的に難しい、と伝えてみてはいかがでしょうか。
円満退職するために
どんな理由を言っても「復帰するんじゃなかったの?」と文句を言う人は一定数いるでしょう。
ですから、少しでもトラブルを避けるために次のことには注意してください。
早めに伝える
後任の採用や引き継ぎなど、一人が辞めるとなったら会社側も色々とやることがあると思います。
ですから、辞めることを決めたらなるべく早く上司に相談した方がいいでしょう。
繁忙期は避ける
復帰すると思ったら辞める、しかも繁忙期に!?とならないように、退職する時期は会社が忙しくない時期にした方がいいですね。
これも、上司としっかり相談して、いつ頃なら迷惑を最小限にできるか考えてみてください。
引き継ぎなどはしっかりしよう
自分が辞めることで、もしかしたらその後から育休を取ろうとしている人に影響がないとも言い切れません。
ですから、せめて自分の後任になる人には引き継ぎなどはきちんとして、少しでも迷惑をかけないようにしていきたいものですね。
自分のために、子供のために、よくよく考えて結論を出そう
初めての育児だと、あまりの大変さから育休中に「このままじゃ仕事と育児の両立なんて絶対無理」と思い込んでしまう場合があります。
でも、実際にやってみないとわからないこともあります。
いざ復職してみたら、簡単ではないけれどなんとなくやっていけている、という人もいますし、逆に準備万端で復職したのに、体力的にも精神的にも辛くなってしまった、という人もいるでしょう。
いずれにしても、実際に仕事と育児をやってみてからでないとわからないことはあると思います。
だからもし、今抱えている「不安」だけで退職しようと思っているなら、いったん復帰してみてしばらく仕事を頑張ってみるというのもひとつの方法です。
何度考えてもやっぱり辞めたいという場合は
仕事をするよりも子供が小さいうちは子供と一緒に過ごしたい。
その思いがどうしても強くて、仕事を続けるよりの育児に専念したいという場合はそれでもいいと思います。
どうやって子供を育てていくか、どう働いていくかというのはその人の生き方そのものです。
だから、たしかに育児休業は復帰を前提に取得したものではありますが、育児に専念したいと思うならその気持ちを貫いてもいいと思います。
その気持ちを正直に伝えるかどうかはどんな職場で働いているかにもよると思いますが、もし話せるのであれば、あまり取り繕わずに正直に話してみてもいいでしょう。
育休明けの退職方法・まとめ
子育てをしながらの仕事は未知の世界です。
だから、復帰前に不安になってしまう人も多いです。
でもその焦ったままの気持ちで辞めないことが大事ですね。
日本では、女性が一度仕事を辞めると同じ条件での復帰が難しくなります。
また働きたいと思った時に、なかなか就職できないというデメリットもあるのです。
それでも子供が小さい時期は今しかない、そばにいたいと思うなら、それはあなたの生き方です。
その場合は今回ご紹介したような理由で円満に退職できるようにしてみてください。