小学生のうちは、まだまだ親がしっかりと子供の勉強を見てあげないといけない時期ではありますが、その「見方」には注意が必要です。
勉強を押し付けてしまっていないか、子供のやる気を失わせるようなことを言っていないか、など心当たりがないか振り返ってみてはいかがでしょうか。
今回は、親が子供の勉強を見る時の注意点についてまとめました。
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その子に応じた勉強時間や内容の設定
勉強は、長時間やればいいというものではありません。
学年に応じて適切な家庭学習の時間というものがあります。
文部科学省が出している目安は、「学年×10分」だそうです。
それなのに、1時間も2時間もやらせようとしたり、学校の勉強よりもずっと難しい内容のドリルをやらせようとしてしまう人がいます。
更に、「もっと勉強しないと頭が良くならないよ!」と言って詰め込ませる勉強は、子供に「勉強はつまらない」という気持ちを植え付けてしまい、かえって逆効果になるかもしれません。
まずは机に座って宿題をやる。
最初は、家で勉強するという習慣がつけば良しとしましょう。
それだけでも十分ですから、あまり無理をさせないようにしましょう。
苦手と得意を見分ける
その子によって、苦手な科目と得意な科目があると思います。
例えば、漢字の書き取りは好きだけれど、計算問題はちょっと苦手というお子さんがいるとします。
そういう子供は、計算の方は漢字よりも多くの時間がかかったりします。
でも、それを怒ってしまうのは少し待ちましょう。
子供には子供のペースがありますし、早くできればいいというものでもありません。
時間がかかってもきちんと理解できていれば問題ないですし、翌日また苦手なところを復習するという習慣をつけていけば、苦手な科目も段々スピードアップしていきます。
だから、苦手な科目と得意な科目を見極めて、苦手なものに多少時間がかかっても怒らないように気を付けましょう。
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なんでこんなのがわからないの!もダメ
大人から見たら「どうしてこんな問題がわからないんだろう」と思うことがあるかもしれません。
ちっとも解けない子供の様子を見ていると、だんだんイライラしてきたりもしますね。
そしてついに、「これはこうでしょ!」と横から口を出したり、「さっきもやったのに、なんでわからないの!」とつい怒ってしまったりしてしまいがちです。
でもこれは逆効果です。
子供はますます勉強がイヤになってしまいます。
時間がかかっても良いので、理解できるまでゆっくり教えてあげてください。
もし相手が親戚の子供だったり、子供の友達だったら、できなくても怒ったりしませんよね。
「もう一度教科書の○ページを読んでみたら?」など優しくアドバイスできると思います。
それはなぜなのでしょうか?
気持ちが焦っていないからです。
だったら、それを我が子にも出来るはず。
自分の子だということを一時的に「忘れて」、自分が塾の先生になったような気分で接してみてください。
答えや解き方をすぐに教えてしまわないこと
なかなか答えが出なかったり、何度も同じ間違いをしていると、イライラしてつい答えを教えてしまったりしていませんか。
でもこれでは、自分で解いたことにはなりませんね。
正しい答えを知ることはできても、勉強がわかる楽しさはわからないままです。
だから、簡単に答えを教えないことが重要です。
これが、中学生や高校生ともなれば、場合によっては先に解答や解説を見て学ぶ、という方法も考えられますが、小学生のうちはまず「自分で考える」ことが大事です。
自分でひらめくようにヒントを
自分で考えて答えを導きだせれば、勉強の楽しさがわかってきますし、何より子供の成功体験になります。
「自分で解けた、できた!」という自信につながります。
ですから、答えを教えるのではなく、
もう一度筆算をやってみたら?計算間違いしてないかな?
教科書に似たような問題はないかな?
教科書の基本的なところに戻って、もう一度読んでみたらどう?
などと、子供が自分で「あ!」と気づいてくれることを願って、ヒントになるようなことを伝えます。
どんなにバレバレなヒントでも、答えを直接教えないこと。
子供が自分で解いた、という感覚を持てるようにサポートしましょう。
小学生のうちは「習慣作り」が大事
小学生のうちから、「勉強ができないと!」と宿題や家庭学習をあんまり熱心にやる必要はありません。
やる必要がないというと語弊がありますが、小学生のうちに最も大事なことは、「勉強の習慣作り」です。
放置しておいても、小学生の子が自分から勉強をするということはあまり期待できません。
やはり親のサポートが必要で、勉強のやり方やコツを自分なりに掴むまではしっかりと見てあげた方がいいでしょう。
難しい、高度なことをさせるのではなくて、机に向かう習慣をつけるだけでも良いと思います。
宿題を見るのは親の義務だった!?
「そもそも宿題なんだから、先生が丸付けをして、先生がわからないところを教えてくれればいいんじゃない?」とか、「共働きで、帰って来てから宿題見るなんて無理!」という声も多く見られます。
でも、学校を一歩出たら、家庭でどう学習するのかということは家庭の責任、親の責任です。
「学習指導要領」には、”学習意欲の向上や学習習慣の確立”が大事だとされており、”特に、低・中学年において学習習慣を確立することは極めて重要であり、家庭との連携を図りながら、宿題や予習・復習など家庭での学習課題を適切に課すなど家庭学習も視野に入れた指導を行う必要がある”と記載されています。
つまり、あくまでも家庭での学習習慣をつけるために、宿題なども出してあげた方がいいという位置づけになっています。
家庭での勉強を見てあげるのは親のつとめ。
時間がなくて大変な人でも、小学校中学年くらいまでに自分から勉強する習慣をつけさせてあげないと、高学年、中学生になって子供が苦労することになってしまいます。
小学生の勉強を親が見る時に大事なこと・まとめ
小学生のうちは難しい問題を解こうとするのではなくて、勉強の習慣をつけさせること、勉強が嫌いだと思わないようにすること、その方が大事です。
ですから、あまりイライラしないで悠然と構えていましょう。
一緒にタイムトライアルをやってみるなど、勉強を楽しめる工夫も色々考えてみてください。