子供には自信を持って生きて欲しい。
親なら誰しも、そう思うでしょう。
しかし、褒めてばかりいると自信をつけるのを通り越して、自信過剰になってしまわないか心配です。
自信過剰は良くないことなのか、本当の意味の「自信」とはどういうものなのか、子供の心の育て方についてお話しします。
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大人と子供の自信過剰の違い
自信があることは良いことですが、それが過剰なことは良くないとされます。
自信過剰とは、本来の能力以上の自信を持っていることをさします。
大人の場合、自信過剰な人は、大きなことばかり言って仕事の成果は全く出ていないような人のことをさしますが、子供の場合はどうなのでしょう。
子供は自信過剰なくらいでちょうどいい
パパやママが持って欲しいと思う本当の意味の自信は、自己肯定感だと思います。
今の自分のいいところもそうでないところも全て受け入れて、「自分」を丸ごと愛することです。
だめなところ、できないこと、それも全て含めて自分であると考え、自分を大切にするという考え方ですね。
これが理想ではありますが、今の日本では自己肯定感を持つことが難しくなっています。
内閣府の調査によると、13~29歳の若者を対象とした意識調査では、諸外国と比べて日本の若者の自己肯定感の低さが浮き彫りになっています。
アメリカでは「自分に満足している」と答えた若者が86%であるのに対し、日本では45.8%。そのかわり、憂鬱だと感じている割合は77.9%でトップなのです。
これは、子供のうちに自分に自信を持てなかったために、大人になる過程でも自己肯定感を高めていくだけの土台が整ってなかったからではないかと考えられます。
参考特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~
たしかに、自信過剰だと心配になることがあるかもしれませんが、小学校も高学年になると、だんだんうまくいかないことが増えていきます。
勉強がうまくいかないとか、友人関係がうまくいかないなど、自信を打ち砕かれるような出来事が増えます。
だから、低学年の時に自信過剰な子がそのまま大きくなるという心配はあまりないでしょう。
自信過剰なまま渡っていけるほど世の中は甘くないからです。
ですから、子供は自信がないよりも過剰なくらいでちょうど良いのではないでしょうか。
「僕(私)ってすごいな!」という気持ちが「やってみよう」「がんばってみよう」という行動につながるなら、過剰なくらいの自信があっても大丈夫です。
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うまくいかなかった時のフォローが大事
自信過剰なことをどうにかしようとするよりも、その自信が打ち砕かれた時のフォローが大切です。
過剰な自信を持っているということは、多少の過大評価があるわけで、まだそれだけの力がないのに「僕(私)はできる!」と思っているわけです。
そうすると、本来はできないことをやって、失敗することがあります。
そのような時に、
こんなはずじゃない
僕(私)はもっとできるはず
なんで、どうして
と子供が混乱してしまうかもしれません。
そのような時には、
がんばったこと
努力したこと
チャレンジしたこと
などを褒めてあげてください。
結果は失敗だったとしても、行動したことが素晴らしいのだということを認めて、褒めてあげるのです。
そうすれば、自信過剰は自己肯定感に変わっていくでしょう。
自己肯定感との違い
そうはいっても、過剰な自信ではなく、身の丈に合った自信を得てほしいですね。
先ほどもお話ししましたが、自己肯定感とは、
自分のことが好き
自分には長所があると思う
欠点があっても自分を認めている
自分を大切にしている
ということです。
そのためには子供を褒めるということがとても大事ですが、褒め方にはコツがあります。
ただ単に「すごいね~」「えらいね~」と褒めるだけではなく、もっと具体的に、子供が「自分は何を褒められたのか」ということがわかるように褒める、ということです。
褒めるというよりは、「認める」・「感謝する」と考えた方が、声をかけやすくなるかもしれません。
例えば家の手伝いをしてくれたとき。
「えらいね~」よりも
「ありがとう!ママ、とても助かったよ。またお手伝いしてくれると嬉しいな」と伝えると、子供にとっては褒められたことも嬉しいし、ママが喜んでくれるのも嬉しい、となるのです。
ママの役に立っているという気持ちが自己肯定感を育てるんですね。
ただ褒めてばかりだと、何に対して褒められているのか、子供もわからなくなってしまうので、具体的に行動を褒めてあげると、それが「できた!」という成功体験の積み重ねになり、自己肯定感が高まるでしょう。
自意識過剰との違い
もう一つ似たような言葉に、自意識過剰があります。
これは、
友達にどう思われているか気になる
人に嫌われたくない
などの気持ちが強く、人に好かれようとするあまり、人の顔色ばかり伺ってしまうようになることです。
親が怒ってばかりいると、怒られないように、褒めてもらえるように、ということばかり考えて、親の顔色ばかり伺うようになってしまいます。
怒るのと叱るのは違います。
注意をする時は、子供に自分の感情をぶつけるのではなく、何がいけないのかを理解をさせることの方が大切です。
自信過剰どころか、自信のない子になってしまう可能性がありますから、もっと「あなたはそのままでいいんだよ」ということを伝えてあげたいですね。
自己肯定感を高めるほめ方
子供を褒めなくちゃ!と思うことは悪くはないのですが、「褒める」こと自体が目的になってしまってはいけません。
褒めるのは、子供の努力を認め、やる気を出してもらいたい、自分を大切にして欲しいからですね。
ですから、褒めるというのは子供をよく見ていないとできないことなのです。
この間はできなかったけど、今日はすごく上手にできたね。上達したね!
読める漢字が増えたね。すごいね。
など、子供が何を頑張ったのか、そして何を認めて欲しいと思っているのか、何に達成感を感じているのかをよく見た上で褒めることが大切です。
そのようにして褒めていれば、自信過剰になることはないでしょう。
子供が自信過剰で困る・まとめ
大人になっても自分に自信を持てない人が多い世の中です。
だからこそ、子供の時に自信の土台を作ることはとても大切なことです。
自分のいいところもそうでないところも、できることもできないことも、丸ごと「自分はすごい!」と思ってくれるような褒め方をして、自信を持って社会に出ていって欲しいと思います。