小さいうちから子供に本の読み聞かせをすると良いといわれていますが、「なぜ?」と聞かれるとよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、本や絵本の読み聞かせが子供の脳や学力向上になぜ良いのか、その理由や効果を詳しくお話しします。
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読み聞かせが子供の脳や学力向上に良い理由
読解力の差が学力の差につながる
小さい頃から本に慣れ親しんでいる子供は、自然と読書の習慣がついています。
そして読書の習慣がある子は、総じて学力が高いということが文部科学省の調査によってわかっています。
特に国語の成績では読解力に差がつきます。
読解力に差がつくということは、当然ながら他の教科にも影響します。
どんな教科でも日本語で問題が書かれていますから、問題の意味を理解する力がないと解けません。
ですから、国語力がつくということは、総じて学力が高くなる傾向にあるのです。
参考読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究(静岡大学)
脳を活性化させる
とある実験によると、自分で本を読んでいる時には脳の前頭葉しか反応しないのに、耳から話を聞いていると脳全体が活動しているということがわかったそうです。
保育園でも年長さんになるとだんだん字が読めるようになりますし、小学校に入ったら自分で読んだ方が良いのではないか?と思われるかもしれませんが、脳の働きのことを考えると、親が読んであげた方が良いということになりますね。
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読み聞かせの6つの効果
本の読み聞かせをすると、具体的にどのような効果があるのかということについてまとめました。
語彙力がつく
絵本を読んでいると、子供が知らない言葉もたくさん出てきます。
でも絵本だと、絵を見ながら聞いたことのない言葉でも何となく想像がついたりするようになり、自然と語彙がたまっていきます。
文字を「耳」から聞きながら絵を見て一度に多角的に情報をとりこんでいるため、例えば「川」を見たことがなくても「桃が流れてきたのが『川』という所なのだ」ということが子供でも理解できるわけですね。
読み聞かせの習慣があった子と無い子では、小学校に入る時点でかなりの語彙数の差がついています。
ある研究結果によると、言語環境が貧しい中で育つと、平均的な子供よりも32000語も語彙の数に差がついてしまうそうです。
語彙力がつくということは、ただ単に言葉を知っているというだけではなく、正しい言葉の使い方も身につけられるということです。
記憶力の向上
人は記憶するために言葉を必要とします。
視覚情報だけでなく、それを言葉で補い、多角的な情報として脳に入れることで、強く記憶できるようになっているのです。
だから何かを覚えるにしても、それに見合った言葉が必要だということになります。
そのためには語彙力が豊富な方が記憶力は高く、語彙力をつけるためには絵本の読み聞かせが役に立つのです。
理解力がつく
語彙力がつくということは、自分の頭で考えるための材料が増えるということにつながります。
相手が何を言っているのか
何を言いたいのか
こういったことも、絵本の中から学んでいくので、物語の筋を理解するだけでなく、他人を理解する能力も身につけていくことができます。
文法を自然に理解する
普段の会話では、文法を意識して話をしたりはしていませんね。
「ママ、ごはん」でも話は通じます。
しかし、本や絵本となると、「文章」が書かれておりますので、子供向けの短い文章であっても主語や述語、目的語など正しい文法で書かれているものが多いです。
また、比喩などの表現方法も、そうだとは意識せずに頭に入っていきます。
ですから読み聞かせは、話し言葉ではなく、書き言葉独特の表現を学ぶことができるわけです。
これが後々、文章を書くことに役立っていきます。
想像力が豊かになる
本を読んでもらっている時は、「次はどうなるんだろう?」とワクワクして聞いていますよね。
時には主人公がピンチになったりすることもあり、子供は「大丈夫かな、うまくいくかな」などと考えながら聞いています。
物語を聞くことで普段とは違った世界を体験できるので、想像力が豊かになっていきます。
世界が広がる
まだ小さいうちは、日常生活で経験できることが限られています。
しかし、本の中には全く経験したことのない世界が広がっていて、さまざまな人や物や出来事を知ることができます。
優しい主人公もいれば意地悪な魔法使いなども出てきてきますし、登場人物の心情などを知ることで自分以外の物や見方を知ることができます。
それによって、その子の世界がどんどん広がっていきます。
読み聞かせのコツ
読み聞かせを習慣化するためのコツを紹介したいと思います。
本の選び方
これは、子供が興味を持った本なら何でも良いと思います。
学校が推奨している本でなくても構いません。
最初は、図書館に行って、絵本コーナーで自由に子供に選ばせましょう。
そして、好きそうな本を片っ端から読んであげます。
その中で興味を持ったもの、何度も読んでみたいと思ったものを買ってみる、という方法が良いでしょう。
親自身が楽しむこと
子供の学力を向上させなくてはいけないとか、語彙力を身につけさせなくてはならない、と思いながら、自分が「楽しくない」と思うことをやっていても、子供のためにはなりません。
パパやママが「楽しくない」「面倒だ!」と思いながら読み聞かせをしていたら、それは必ず子供に伝わります。
そうすると、子供も「読み聞かせは楽しくない」と思ってしまいます。
それでは何のために読み聞かせをしているのかわかりません。
大事なのは、親子で楽しむ時間を作ることです。
パパもママも楽しみながら、本に親しんでいただきたいと思います。
読み聞かせの効果・まとめ
早期教育というと、「英語を早いうちからやらせた方が良い」などと考えがちですが、読解力を身につけ、思考力なども育つ読み聞かせは最強の早期教育だといえます。
子供に読み聞かせをしながら、子供と過ごす時間を楽しみ、その上で子供の学力も向上したら、こんなに素晴らしいことはないですね。