そろばん教室に通うのであれば、専用のそろばんを準備しなくてはなりません。
とはいえ、「どんなそろばんを買えばいいか分からない」と悩む方も多いと思います。
最近では、ダイソーなどの100均でもそろばんが安価に手に入ります。
費用は抑えられるに越したことはありませんが、ちょっと待ってください。
100均のそろばんは、珠算経験者や珠算指導者からすると、おすすめできないのが本音です。
品質が悪く、そろばんをはじくときに支障が出るからです。
そこで今回、そろばんを購入するときの選び方についてポイントを紹介します。
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そろばんの選び方5つのポイント
はじめてそろばんを購入する際のポイントを紹介します。
そろばんは23桁のものを買うこと
教室に通ってそろばんを習うのであれば、23桁のものを準備しましょう。
先でも説明しましたが、そろばんは級があがるにつれて、数字の桁数がどんどん増えていくためです。
一般的に23桁あれば、そろばんの最高段位である10段まで使うことが出来ますし、量産されているためコストパフォーマンスにも優れています。
どうしても23桁以外のそろばんを選びたいならば、23桁以上の桁のそろばんを選ぶようにしましょう。
そろばんをしていく上で、23桁は必要な桁数です。
できればワンタッチ式を選ぶ
ちなみに、最近では、ボタンをワンタッチするだけでご破算できるタイプも人気です。
ワンタッチでなければダメかというとそうでもありません。
ご破算するときの音や指はじきの感覚を楽しむのもそろばんの醍醐味です。
ただ、競技や検定においては、いかに効率よく問題を解いていくかが大切となります。
ボタンを一回押すだけでご破算できるワンタッチ式のそろばんは、問題を速く解くうえで大変便利だといえます。
特に幼児がそろばんをする時は、ワンタッチ式を購入しましょう。
幼児レベルではまだ、ご破算が難しい場合があり、それができないためにそろばんが嫌いになってしまう子もいるためです。
価格は3,000円以上の物を選ぼう
色々なそろばんを見ていますが、3,000円以上のそろばんはおススメできます。
これはそろばん塾の講師である私一個人の感想なので、絶対とは言い切れませんが、普通のそろばんといえば、3,000円~4,000円の価格帯が一般的と思います。
いくらくらいのそろばんを買えばいいのか迷ったら、次の基準で考えて下さい。
3,000円~5,000円:小学校の授業で使うだけのレベル
5,000円~8,000円:そろばん塾で習うレベル
8,000円以上:段位を狙っていきたいレベル
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ハードケース付きを選ぼう
そろばんを大切に使う上でも、ハードケース付きのそろばんを選びましょう。
特に、幼児や小学生はそろばんを雑に扱ったり、遊びの道具として使ってしまうことが多くあります。
カバンに無理に押し込めたりもしますから、変形の原因にもなります。
珠の素材で柘植(つげ)か樺(かば)が使われているものを選ぼう
そろばんの珠に使われる樹木素材はたくさんありますが、特に向いているのは、柘植(つげ)と樺(かば)だといえます。
柘植玉と樺玉は、両方とも緻密で堅く、弾いたときに適度な重さがありますが、以下の点で違いがあります。
柘植玉(つげだま)
柘植玉は黄色い色をしていますが、使い込むとアメ色に変わります。
一般的に、柘植玉はアメ色になってからが、使用者の手にもっとも良くなじんだ状態であり、本調子ではじくことができると言われています。
しかし、樺玉に比べると手になじむまでの時間が長く、上級者向けといえます。
段位取得まで考えており、長くそろばんを続けようと思っている人におすすめです。
樺玉(かばだま)
玉が茶色で、手になじみやすいのが特徴です。
柘植玉に対して、初級者から上級者まで広く使えます。
初心者で、いつまでそろばんを続けるか分からないけれども、きちんとそろばんを習いたいという人におすすめです。
価格は職人や素材の等級によって決まる
そろばんの価格は職人の技術、珠などに使われる樹木の部分(等級)によって金額に差が出ます。
たとえば、同じ樺玉であっても、金額は五千円から一万円以上と幅があります。
基本的に職人の腕と素材の等級が良いほど、スムーズに珠をはじくことができ、なおかつはじいた後にピタッと止まる滑らかな動きを実現できます。
しかし、初心者のうちから高価なものをそろえる必要はありません。
予算に合うもので、柘植玉、もしくは樺玉が使われているそろばんを選びましょう。
そろばんの購入方法
上記の条件を満たすそろばんはどこで買えるのでしょうか。
その購入方法を紹介します。
そろばん塾の先生から購入する
この方法が結果的に1番良いと思います。
そろばん塾の先生は、そろばんに関してはプロです。
素人目線で選ぶよりも、プロ目線で選んでもらうことをおススメします。
ネットでそろばんを購入する
インターネットでそろばんを購入することもできます。
今、ネット上で販売されているものの中から、現役そろばん講師のプロの目で見て、初心者の方におすすめのそろばんを紹介します。
以下に紹介するそろばんは、すべて次のポイントをクリアしていますので参考にして下さい。
有名メーカー
初心者に優しい樺玉
ワンタッチ式
桁数は23桁
長期間使用できる
ハードケース付き
3位:トモエ算盤 そろばん 23桁 ワンタッチ ON600 樺玉
おすすめ度: 初心者~中級者向け
サイズ:7 x 33.1 x 1.6 cm 重さ:186g
価格帯もよく、ワンタッチ式でカバ玉です。
軽いのに作りもしっかりしていますし、安心のトモエ製品です。
2位:播州小野そろばん ニューワンタッチそろばん 樺玉
おすすめ度: 初心者~中級者向け
サイズ:10.6 x 36.8 x 2.9 cm 重さ:390g
これからそろばんを始めようと思う幼児や小学生にはぴったりのそろばんです。
珠の動きもよく、そろばん教室で習う方でも充分に使えるそろばんです。
1位:雲州堂 そろばん ソロマチック 23桁 USM-65 カバ玉
おすすめ度: 初心者~中級者向け
サイズ:6.6 x 33.4 x 1.9 cm 重さ:400g
しっかりとした作りで、特に珠の動きが良いと思います。
珠が適度に動き、ピタッと止まるので、上達を目指す初心者に向いています。
そろばん教室で使う分にも十分に間に合います。
100均のそろばんを使ってはいけない3つの理由
私のそろばん教室では、〇イソーなど100円均一で販売されているそろばんは使わないようにお願いしています。
品質が良くない
100均のそろばんは基本的にプラスチックでできています。
プラスチック素材は、珠が軽いため、弾いた勢いでバウンドして戻ってきます。
いちいち珠を戻して計算しなおすと、その分時間と手間がかかることになります。
環境に弱い
そろばんは、枠、梁(はり)、芯の三つの構造からできています。
プラスチック製だと太陽の直射日光や高温の室内環境におくことで変形する恐れがあります。
変形してしまうと、珠の動きが鈍くなり、計算に支障が出ます。
計算ミスも増えてしまうので、一向に上達しないデメリットがあります。
桁が足りない
100均で売られているそろばんは、桁数が少なく、サイズも小さいものばかりです。
売り場にあるのは、せいぜい10桁や15桁です。
そろばんは、上級になるほど、計算する数字の桁が増えていきます。
100均のそろばんではやがて桁が足りなくなります。
そろばん専門メーカーによるプラスチック製のそろばんも選択肢にあり
とはいうものの、最近では、環境保護や資源保全の観点から、専門メーカーからもプラスチック製のそろばんが出ています。
ただし、この場合、100均のようなそろばんとは違い、珠の重さや弾いたときの反動も計算されて設計されています。
どうしてもプラスチック製が良いというのであれば、きちんとした専門メーカーから出ているものを購入することをおすすめします。
手になじむという特性
プラスチック製のそろばんを購入する人の中には、とりあえず間に合わせで安いものを買って、必要となれば後から木製に買い換えたらいいと考える人もいます。
しかし、そろばんは使い込むことで手になじむものです。
手になじんだそろばんを使うことで、一層速く、正確に計算できるという側面があります。
途中で買い換えてしまえば、再び手になじむまでに時間がかかり、その分上達も遅れます。
はじめから上質なそろばんを購入しておくほうが賢明ともいえるでしょう。
そろばん購入の際の選び方・まとめ
そろばんは使い込むことで使う人の手になじんできます。
つまり使う人の個性がそろばんに反映されるといっても過言ではありません。
末永く手元におけるそろばんは、一生モノの価値があるといえます。
お子さんの成長とともに、そろばんも成長するともいえます。
可能な限り上質なそろばんをそろえてあげたいところです。