集中力や計算力を鍛える習い事として、そろばんが人気です。
とはいえ、「子どもがそろばん教室に通っているけど、なかなか上達しない」と悩むお母さん、お父さんも多いかと思います。
そろばんを始めた時は順調に進級していたけど、ある時からぱったりと調子が悪くなり、進級できなくなったという生徒も少なくありません。
そこで今回、小学生がつまずきやすい8級と3級の検定を想定して、そろばんの練習時間はどれくらい必要なのかを解説します。
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8級検定に合格するために
8級検定の出題内容
8級の検定問題はどのような内容なのか、各連盟ごとに紹介します。
全珠連(全国珠算教育連盟)の場合
全珠連(全国珠算教育連盟)の8級検定では、見取り算、かけ算、わり算の3種目が出題されます。
制限時間は、各種目7分ずつとなっており、一種目150点満点です。
各種目100点以上取れたら合格です。
日珠連(日本珠算連盟)の場合
日珠連の8級検定の種目は、見取り算、かけ算、わり算の3つです。
制限時間は3種目通しで20分となっています。
配点はみとり算100点、かけ算50点、わり算50点の200点満点で、3種目合計120点以上取れれば合格です。
全国連(全国珠算連盟)の場合
全国連(全国珠算連盟)の8級検定では、見取り算、かけ算、わり算の3種目が出題されます。
制限時間は、各種目10分ずつとなっており、一種目100点満点です。
各種目60点以上取れたら合格です。
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8級検定に合格するポイント
全珠連、日珠連、全国連とも共通して、8級は初めてわり算が出題されます。
そのため教室での練習も、わり算のはじき方を中心に指導していきます。
8級の練習をする子供に多い間違いとして、わり算とかけ算のやり方を取り違えてしまうということがあります。
わり算の正解率が低い場合、このポイントでつまづいていることがあります。
8級合格に必要な練習時間
自宅でのそろばんの練習は、教室に行かない日に行います。
こうして、毎日そろばんに触れるようにすることが理想的です。
もし他の習い事もしていて、毎日そろばんの練習をすることが難しいのであれば、一種目ずつでもかまいません。
8級合格を目指す場合、そろばん教室に通うことが週2日(1日1時間)だとしたら、自宅で練習するのは最低でも週2日(1日30分)取り組んでみてください。
これぐらいの練習量(時間)があれば、必ず合格できるでしょう。
また、自宅で練習する場合は下のように、検定の時と同じ制限時間を設けて解くことをおすすめします。
日珠連であれば20分通しで見取り算、かけ算、わり算を解く。
全珠連であれば、3種目それぞれ7分ずつ測りながら解く。
全国連であれば、3種目それぞれ10分ずつ測りながら解く。
3級検定に合格するために
3級検定の出題内容
8級の検定問題はどのような内容なのか、各連盟ごとに紹介します。
全珠連(全国珠算教育連盟)の場合
全珠連は準3級から、種目が見取り算、かけ算、わり算、伝票算、暗算、応用算の6種目となります。
各種目150点満点で、6種目のうち見取り算、かけ算、わり算は必須の種目で、いずれも100点以上取らなければいけません。
加えて、伝票算、暗算、応用計算に関しては、いずれか2種目が100点以上であれば3級に合格できます。
制限時間は暗算3分、応用計算10分、それ以外が7分間となっています。
日珠連(日商検定)の場合
日珠連の3級(内容は日商の珠算検定)では、みとり算、かけ算、わり算の3種目のみ出題されます。
各種目100点満点です。
制限時間は通しで30分、合格ラインは3種目300満点のうち、240点以上となります。
全国連(全国珠算連盟)の場合
全国連は3級から、種目が見取り算、かけ算、わり算、伝票算の4種目となります。
各種目100点満点で、それぞれ70点以上取らなければいけません。
制限時間は4種目とも10分間となっています。
3級検定に合格するポイント
全珠連は応用計算のパターンを頭に叩き込んでおくこと
応用計算は元本や、利益、原価などを求める問題が出され、パターンが分かってしまえば点が取りやすい種目です。
自宅で応用計算の練習する時は、次のような計算の場合はどうやって問題を解けばいいのか、その考え方を公式化していきましょう。
利益を求める時はどういう計算順序で解くのか。
原価を求める時はどうするのか。
ノートなどに公式を書き出し、まとめておくと効果的です。
日珠連の検定は3種目の時間配分と解く量を調整することが大切
日珠連においては、3種目の合計点数が240点以上であればいいので、1種目ごとに80点以上取れるように練習しましょう。
注意したいのは、日珠連(日商)の検定は、30分通しで検定を行うことです。
そのため、限られた30分間で、3種目バランス良く問題を解いていくことが大切になります。
見取り算で時間を取られてしまい、かけ算やわり算で解けない問題がたくさん出てしまった、というケースも見受けられます。
時間が足りなくなるという場合であれば、得意な種目から始めるというのも一つの手です。
逆に、時間が余るようであれば、残り時間で見取り算の見直しは絶対に行うようにしましょう。
全国連はカンマと伝票算に慣れること
全国連の珠算検定では、3級から答えに「,」カンマが必須となります。
たとえば、4級までは答えに「1000」と書いても正解となりましたが、3級からは「1,000」とカンマを付けて書かなければ不正解となります。
また、3級から伝票算が新しく加わります。
伝票ホルダーなどの扱いにも慣れていきましょう。
3級合格に必要な練習時間
自宅で3級の練習をする場合も、検定の時と同じように、制限時間を設けて練習することが理想的です。
3級合格を目指す場合、週2日(1日1時間)そろばん教室で練習するのであれば、自宅で週4日(1日1時間)ほど取り組むと効果的です。
小学生なら、これくらいの練習量(時間)があれば合格できるはずです。
とはいえ、3級ぐらいになると、小学生でも中学年~高学年になるので、クラブや他の習い事で忙しくなります。
毎日1時間もそろばんを練習する時間や余裕がないという場合は、一種目だけ、あるいは教室で間違えた問題だけ繰り返し解く、ということを行ってみてください。
30分だけでもかまいません。
そろばんを練習する時間帯にも工夫を
休日は午前中にそろばんの練習をしてみよう
検定は基本的に、ほとんどが午前中に行われます。
級によっては、塾で行う検定もあるので、学校が終わった後に検定テストを実施することもあります。
しかし、上級になると休日に試験会場に赴いて受験するのが普通です。
特に午前中は、指がこわばり、思うように動かないこともあります。
日ごろから朝の時間帯にそろばんを弾いて、指をならすようにしておきましょう。
学校がある日でも、早く起きて30分だけ朝食前に練習するのも良いでしょう。
短時間で集中して終わらせるようにしよう
そろばんは集中して取り組まないとなかなか正答にたどりつけません。
テレビがつけっぱなしになっている部屋で練習をすると、気が散り正答率も落ちてしまいます。
また、夜寝る前の練習は、集中力や判断力も朝や日中に比べると落ちてしまいますので、おすすめできません。
集中できる環境で、短時間で集中して練習をしてしまいましょう。
そろばんの練習時間・まとめ
お子さんによって進級する速さはそれぞれですし、やり方も異なります。
効果的なそろばんの練習方法や時間は、上記の限りではありませんし、やったからといってすぐに効果が出るとも限りません。
大切なのは、練習を継続して行うことです。
地道な練習の積み重ねが、そろばん上達への一番の近道とも言えるでしょう。