子供が何か悪いことをした時、しつけのため、と子供が泣くまで怒鳴り散らしたり、責めたりしていないでしょうか。
たしかに、悪いことは悪いと叱ることはとても大事なことです。
ただ、その時の言葉には気をつけなくてはいけません。
子供を必要以上に傷つける言葉を投げつけても、それはしつけにはならないからです。
スポンサーリンク
もくじ
子供を傷つける言葉
親の方はたいして悪気もなく言っているのかもしれませませんが、そのひと言が子供の心を大きく傷つけているかもしれません。
子供の人格を否定するような言葉
子供も立派な一人の人間です。
子供だからといって傷つけていいことはありませんし、一人の人間として尊重する気持ちが大切です。
それなのに、以下のような言葉を言ってしまったことはないでしょうか。
本当に何をやってもダメね
あなたなんて大っ嫌い
あなたなんて産むんじゃなかった
あなたさえいなかったら
男の子(女の子)のくせに
子供が自分の言った通りにしない、子育てが理想通りにいっていない、そんな時にイライラが心ない言葉となって出てしまうことがあります。
子供の能力を否定するような言葉
子供はたくさん失敗しながら成長していきます。
大人になっても多くの失敗を経験しますよね。
だったら、経験の少ない子供なら失敗して当たり前。
どうしてもっと上手に出来ないの
ホントに走るのが遅いのね
不器用ね
絵が下手ね
あなたに出来るはずがない
(テストで95点も取ったのに)あと5点はどうしたの?
子供だから無理
子供だからこそチャレンジできることがたくさんあるのに、親がそれを止めてしまうのは非常にもったいないことです。
このようなことを言われ続けると、子供は自分に自信が持てなくなっていきます。
スポンサーリンク
他の子と比べるような言葉
その子にはその子の成長のペースがあります。
他人と比べることはもちろん、兄弟姉妹でも比べるようなことを言ってはいけません。
子供はたいてい「自分に一番愛情を注いで欲しい」と思っていますから、誰かと比べられると子供は傷つきます。
○○ちゃんはできるって。どうしてあなたは出来ないの?
お兄ちゃんはできたのに
妹はちいさくてもこんなにできるわよ
競争意識を持たせようとしてそんなことを言ってしまう人もいますが、子供は自分の存在そのものを否定されたような感覚を持ってしまいます。
自分ではどうしようもないこと
それを言っても、本人が改善できないことを言うのは控えましょう。
あなたが男の子だったら良かったのに
どうしてもっと身長が伸びないんだろう
性別だとか身体のことは、本人にはどうしようもないことです。
むしろ子供としては、親であるあなたを責めたいところでしょう。
親の価値観を押し付けること
自分がやりたいことがあるのに出来なかった人や、何かが出来ないというコンプレックスがある人は、自分の価値観を押し付ける傾向があるようですので気を付けましょう。
そんなことやっても無駄だ
そんなことは何の役にも立たない
あのこと友達になってはいけない、遊んではいけない
子供はこれからどんどん可能性を広げる存在なのに、最初から「だめだ」「むりだ」というように、親が子供の芽を摘むようなことを言ってしまうと、せっかくチャンスがめぐってきても、挑戦をしない子になってしまうかもしれません。
子供を傷つける言葉を言ってしまった時の対処法
一度口から出た言葉は取り消すことが出来ません。
子供の心に深く突き刺さり、傷を作ります。
でも、それはそんな言葉を投げつけた親の責任。
全力でフォローして傷を癒すことが必要です。
素直に謝る
まずは心から謝ります。
親だとしても、言っていいことと悪いことがあるのですから、子供の心を傷つけてしまったと思ったら、素直に謝ってください。
その上で、自分は何を伝えたかったのか、具体的に説明をして理解を求めることです。
もしそこで子供が話を聞いてくれなくても、理解してくれなくても、また怒ったりしてはいけないですよ。
自分がやったことは自分で責任をとらないといけませんから、子供が納得するまで謝って、今まで以上の愛情を注いでください。
事実だけを叱る
子供を叱るにはコツがあります。
それは、「どうしてあなたは」というように人格についてあれこれ言わないこと。
あくまでもその子の行為だけをみて、事実だけを叱るのです。
ジュースをこぼされるとお掃除が増えて大変だから気をつけてね
ご飯の前に宿題終わらせるって約束したよね
など、今やっていることがどういけないのかわかるように、具体的に「行為」を指摘して叱るようにします。
子供は親の所有物ではない
子供はたしかに親から産まれて来て、親の遺伝子を受け継いでいるかもしれない。
でもそれは、生物学上の話であって、親とは全く違った人格を持つ一人の人間なのです。
ですから、どんなに小さくても、子供は親の所有物ではないということを忘れてはいけません。
どんなに腹の立つことがあっても、思い通りにならなくても、傷つけていいことにはならないということを忘れないでください。
大人になっても傷が癒えないことも
自尊心というのは人が生きていく上でも最も大切なものの一つです。
しかし、たった1つの言葉が子供の全ての自信を奪ってしまうこともあるのです。
その傷が癒えないままに大人になると、
常に人の顔色伺ってしまう
自分に自信が持てず、友達が出来ない
自分の弱さを隠すために他人に攻撃的になる
など、人間関係をうまく築けなくなるなどの影響も出てくるのです。
子育てにイライラするならカウンセリングも
どうしてもイライラしてしまって、子供に暴言を吐いてしまうことを止められないという場合は、カウンセリングを受けてみることをおすすめします。
日本では、カウンセリングが「心の病の人が受けるもの」という誤ったイメージをもたれる人が多いのですが、違います。
カウンセリングは自分が思っていることやモヤモヤしていることをときほぐしていき、カウンセラーと話すことによって今まで気がつかなかった「違うものの見方」を得ることが出来るものです。
それによって行動が変わることがカウンセリングの成功なのです。
ですから、なぜこんなにイライラしてしまうのか、いけないと思いながら子供を傷つけてしまうのか、自分の心をほぐすことで答えが見えてくるかもしれません。
子供を傷つける言葉と対処法・まとめ
親の言葉は思っている以上に子供の心に大きな影響を及ぼすものです。
親だって完璧な人間ではないですから、時には失敗してしまうこともあるでしょう。
大事なのはそれを素直に認めて、自分の成長の糧にすることです。
親としてもまだまだ発展途上。
子供と一緒にゆっくり成長していきましょう。