中学生や高校生になると、徐々に自分の進路を決めてゆく時期が近づいてきます。
将来の自分の理想像(セルフイメージ)がきちんと描けている生徒さんは、勉強する目的がはっきりしているので、学習意欲も高いでしょう。
しかし、100人中、将来の理想像が描けている生徒さんは、どれくらいいるのでしょうか?
多くの人は、進路といっても、何がしたいか分からない、どうしたらいいかわからない、というのが実情なのではないでしょうか。
今回は、進路を決める際に悩む生徒さんにむけて、学校では教えてくれないが知っておくべきことや進路選択のコツについてまとめてみました。
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何がしたいかわからないと悩む方へ進路選択のヒント
進路に迷う方の何かしらの参考になればと思い、進路選択のヒントをまとめてみました。
何はともあれ、自己分析をする
本屋で、様々な自己分析の本などが購入できますので、まずは何よりも先に、自己分析をしてみることが大事です。
1人の世界に閉じこもって考えていても、堂々巡りで前に進みません。
本を1冊購入して、少しでも前に進めるのなら、安いものだと思います。
自分の性格や、長所や短所、向いていることや伸びそうな能力など、客観的なツールを使って調べてみると良いでしょう。
また、自分が没頭しても平気なことや、小さな頃から飽きずに続けていることなどをリストアップして、自分の特徴を分析してみることも大事です。
質問を変えてみる
「何をしたいかわからない」
「将来自分はどうしたら良いかわからない」
こういった考えの背景にあるものは、次のような質問だと思います。
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「将来あなたは何をしたいですか?」
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「将来あなたは何になりたいですか?」
この質問に答えるには、特定の職業を答える必要がありますし、どんな仕事が世の中にあるのかわからない中で、手探り状態で答えを探すような迷路に迷い込んでしまうかもしれません。
おすすめの方法は、「~したい」「~になりたい」ということを考えるのではなくて、
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「自分はどういう人生を送りたいのか?」
という問いに変えてみることです。
最初よりも、もっと難しくなったと思われるかもしれませんが、全然、質問の質が違います。
この質問は、自分で答えを見つけられる質問、もしくは、自分で考えて答えを作り出す質問だからです。
自分の将来の理想像を描いてみて、それは特定の仕事に就くことだけが答えではありませんが、どのような人生を送ってゆきたいのかということを考えてみることを第一におすすめしたいです。
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やりたいことをやって結果を出す人が少ないことを知る
世の中には、様々な意見がありますが、必ずしもやりたいことをやっっている人が多いわけではありません。
もちろん、自分の好きな分野や、やりたいことで成功している人はたくさんいますが、100人中、何人いるでしょうか?
プロスポーツ選手であれ、音楽家であれ、おそらく、ほんの一握りの限られた人だけであるということが事実です。
そして、プロの世界で成功している人々は、日々、人知れず、血のにじむような努力を積み重ねているわけです。
才能がある人が、普通の人ができないレベルで努力を積み重ねて、やりたいと思う分野で成功しているという事実を知るべきです。
おすすめは、成功していると言われている方の著書などを読むことです。
自分の尊敬している人が本を出版していれば、絶対に今すぐに読んでみるべきです。
そこから、努力の仕方などを学べると思いますし、理想の自分を描けることにつながるかもしれませんね。
消去法を使ってみる
将来像が描けないという場合、ちょっと視点を変えてみて、消去法を使ってみることもおすすめです。
「〇〇にだけは、絶対になりたくない!」という、〇〇の部分を考えてみるのです。
つまり、「絶対にやりたくないこと」をリストアップしてゆくのです。
そうすると、いずれ、「嫌ではないこと」がいくつか残ると思います。
例えば、血液を見ただけで気を失いそうになる人もいますが、このようなタイプの人は、医療現場で社会貢献するには、大変な困難が待ち受けているかもしれませんね。
しかし、血液を見ることがたとえ苦手でも、コンピューターの前に座って作業をすることは、嫌ではない場合、医療事務のような仕事には向くかもしれません。
このように、自分がどうしても苦手で無理なことを挙げていくという方法も良いですね。
また、身近にいる大人から順番に、こういう人生は良いなあとか、こんな人にはなりたくないなあ、と自分の人生の先輩を観察してみることも、刺激になるので良いと思います。
他人の視点を利用する
自分を自己分析することは大切ですが、自分のことは自分でよくわからないことが多いです。
そのような時は、周囲の人の視点を利用させてもらうことも一つの提案です。
例えば、自分が何に向いているかわからないという場合、自分がよく人に頼まれることを考えてみると良いでしょう。
人から頼まれることは、自分に向いている可能性が高いです。
例えば、よく誘われることや、手伝ってと依頼されることなどを挙げてみましょう。
自分に向いていることが見えてくるかもしれません。
また、人から褒められることも良いです。
褒められるということは、長所ですからそれを活かせるような分野を探してみることは良いと思います。
社会システムを理解する(働くことは、自分のお金を稼ぐだけではない)
この世の中、私たちの社会では、人は皆、助け合いをしながら回っています。
例えば、公務員は市民、県民、国民が納めた税金を使って、社会貢献することがお仕事です。
民間企業のビジネスマンでしたら、困っている人を助けて社会貢献し、その見返りとして報酬をもらい、税金を納めることが仕事です。
大きく二つに分けると、税金を納める方の仕事と、税金を使って社会に貢献する2つのタイプの仕事があり、世の中は持ちつ持たれつ、助け合いの精神で成り立っているわけです。
私たちは、生きているだけで、周囲にある程度の迷惑をかけてしまっていると考えましょう。
毎日トイレを利用し、ゴミも出しますし、空気も汚してしまいます。
ガスや水道など、公共の設備を無意識に使っていますが、莫大な費用やメンテナンス費用がかかっている社会インフラを利用させていただきながら、生活しているわけです。
事故に遭ったら救急車を呼びますね。
無料で来てくれると思っておられるかもしれませんが、この費用は税金からまかなわれているのです。
自分は社会に何も迷惑をかけていないと思っていたとしても、実際のところ、生きているだけで、周りの人や環境にある程度の迷惑をかけてしまっています。
このことを知らず、もしくは、忘れていて、「自分一人で生きている」と思っていると、「自分はどうしたいのか?」という一人だけの頭の中で答えを見いだせず、堂々巡りが始まってしまいます。
あたかも自分は1人で生きていて、何でも1人でできると思っている人がいたら、それは大きな間違いです。
働くことは、自分のお金を稼ぐことだけではないということを知っておきましょう。
自分はどのような形で社会に貢献できるのか、また、これまで社会を支えてこられた皆さんから受けた恩に対して感謝しましょう。
そして、自分がどのような形で恩返しをできるかという視点で考えてみるのはいかがでしょうか。
進路選択のヒント・まとめ
将来の職業のイメージがはっきりしていて、例えば、医者になるなら医学部に行くとか、学校の先生になるなら教員免許を取得できる大学に行くとか選択できますね。
ただ、多くの生徒は、具体的な職業までを中学や高校の段階で決められないと思います。
更に、どこの専門学校や大学が自分に向いてるとか、どのような学部が自分に向いているのかなども、決めにくいでしょう。
しかし、自分の人生は、自分で描くドラマのようなものです。
答えは自分で導き出すしかありません。
人生の岐路における選択において、正解というものはこの世の中にないと考えましょう。
「塞翁が馬」という故事成語がありますね。
今良いと思っていることも数年後には悪かったり、かと思ったら、10年後には良かったりするわけです。
子供のことに描いた将来像とは、思いもしないような未来が待っていたりします。
時代に合わせて、状況に合わせて自分を柔軟に対応させていく必要もあります。
自分のことをできるだけ深く掘り下げて考え、後は、その都度、自分にできる最善の選択をしてゆくことで、少しずつ、道は開けると信じましょう。
そして、必ず、行動すれば、結果はついてきます。