小学校で学校から出される宿題プリントは、昔は担任の先生に提出して丸付けをしてもらって、返却されるということが当然でした。
やがて時代は変わり、担任の先生の負担を軽減するという目的からか、親御さんが子供のプリントやドリルなどの宿題の丸付けを代わりに行うということが増えてきているようです。
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学校の宿題プリントの丸付けを楽しむ3つのコツ
「たかがプリントの丸付けでしょ?」と思われる方も多いかもしれませんが、仕事や家事で相当頑張っているお母さんやお父さん方には、なかなか大変な、余分なエネルギーを必要とするタスクになっていると思います。
たかがプリント、されどプリント、丸を付けるだけだとしても、毎日毎日休みなく連日の丸付けということであれば、ストレスがたまってくたびれてしまいますね。
今回は、そのように宿題の答え合わせで困っていて、ストレスがたまっているお父さんやお母さんにとっておすすめの、「宿題の丸付けのコツ」を3つ紹介したいと思います。
週末までためこまず「毎日少しずつ」を基本とする!
たかが宿題プリントやドリルの丸付けといっても、週末までため込んで、後でまとめて一気にやろうとすることはあまりおすすめしません。
なぜかというと、丸付けも、毎日の日課として、習慣化してしまう方が楽だからです。
日常生活の一部に組み込んでしまって、お風呂に入ることや、夕食の準備をすることと同じくらいの日常のタスクとして組み込んでしまう方が、ストレスをためずに毎日続けるためには効果的だからです。
朝起きたら、トイレに行って、洗顔して、朝食を食べて、歯を磨き、パジャマから洋服に着替える。
この一連の流れは、習慣になってしまっているので、めんどうくさいとか嫌だという感情は生まれず、ただ流れに沿って身体が自然に動くと思います。
「あ~、宿題を見てあげないといけなかったんだ~!」と、予定していた以外のタスクがあると嫌な気分になりますが、
「あ~、お風呂に入らないといけなかったんだ~!」とはなりませんね。
お風呂は、入るもの、食事はとるもの、食後は歯を磨くもの、という感じで、日常的に習慣化されてしまっています。
この習慣化の原理を利用して、何の苦も無く、丸付けの時間を日常生活に取り込んでしまうことが一番おすすめです。
ですから、週末に一気にまとめてやるというのではなく、例えば、夕食後、お風呂に入る前までの時間を利用して、一定時間丸付けをする、という感じで、1日のスケジュールの中に宿題を見てあげる時間を、「ごく当たり前にすること」として、組み込んでしまうと比較的楽になると思います。
毎日の丸付け、習慣化のメリット
習慣化の良いところは、他にもあり、毎日続けることで、だんだん作業が速くなるということです。
たかが丸付け、されど丸付け、慣れてくると珍解答なども見つけたりして、なかなか楽しいものです。
最初はダラダラとやたらと時間がかかり過ぎたことも、継続の力で効率が上がり、答え合わせのやり方も工夫次第で時間を短くしたり、楽しくしたりすることも可能になります。
子供さんも毎日続けて学習を頑張っているのですから、親御さんも努力する姿を見せてあげましょう。
環境を整えることの重要性
プリントの丸付けで、イライラするという時、答えシートを探すのに時間がかかるとか、赤ペンが見当たらなくてイライラする、といったことはありませんか?
また、子供が間違えたところを教えたいけれど、教科書が近くにないと、それだけでイライラしてしまいますね。
家庭学習を毎日続けるうえで大切なことは、環境を整えることです。
家庭には、おもちゃやテレビ、ゲームやインターネットなど、多くの誘惑がありますから、学習が快適にできる環境を整えることがまず大事です。
宿題の丸付けをする際には、必要なものを、一式まとめて準備してから始めましょう。
以下は、宿題の丸付けをするために、事前に環境を整える時におすすめのコツです。
やり方は人それぞれですが、極力、イライラしないための工夫を各自で考えて実践してみると良いと思います。
ワークやドリルなどの答えの部分は切り離しておく。もしくは、コピーを取っておき、わかりやすく分類してセットしておく。
ワークやドリルなどは、進んだところまで、わかりやすく付箋を貼っておく。
宿題丸付けキット一式を用意して、同じ場所にまとめておいておく。
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「親子の貴重なコミュニケーションの時間だ」ととらえる!
学校の先生がするはずのことを、「なぜ忙しい親がわざわざ毎日やらないといけないんだ!」と腹立たしく思う方も多いと思いますが、そのような考えで親御さんがイヤイヤ丸付けをやっていては、子供にもそのような悪感情が移ってしまいます。
子供は敏感で、親の微妙な感情まで察する力がありますから、イヤイヤ気分で仕方なく丸付けをされると嬉しくはないでしょう。
むしろ、子供は、特に低学年の間は、「親にたくさん構ってほしい」という気持ちを持っていますから、丸付けを通して宿題を見てもらうことはとても楽しみにしています。
今は幼い子供であっても、あっという間に成長して、高学年や中学生になってしまうと、構ってあげたくても、子供から無視されたり、うっとおしがられたりしてしまうことも増えます。
ですから、宿題をゆっくり見てあげられる時期は、低学年の間だけです。
ここ数年の低学年の間だけだという気持ちで、貴重な親子のコミュニケーションの時間であることを念頭に置いて、しっかり前向きにとらえて、子供さんの学習意欲を維持してあげてほしいと思います。
親からの声がけは自己肯定感を高める
更に、せっかくのコミュニケーションの時間ですから、子供さんが「自分はできる!」と自分で自分を信じられる気持ち、自己肯定感を高める機会にしてはどうかと思います。
自己肯定感を高めることで、自信をつけることができ、将来、困難なことに出会った時も、自分を信じで乗り越えられるような強い大人に成長してゆくことができるでしょう。
それとは逆に、「どうせ何をやってもできない」とか、「自分には無理」とか、自分に対して否定的な感情を持っている子は、困難に立ち向かうことが苦手になってしまいます。
たかが宿題の丸付けではありますが、「よくできたね!」「今日も頑張ったね!」と、努力したことを褒めてあげることを忘れないでください。
親からもらった褒め言葉によって、「自分はできる!」と自分を信じる気持ちが強まります。
上っ面の言葉では、子供は敏感なので、嘘を見抜きます。
ですから、褒める時は、本当に心から褒めてあげてください。
できたことを見える化する!
低学年の子供は、何かを集めることが大好きです。
私どもの塾でも、子供達の頑張る意欲を維持するために、さまざまな工夫を行っていますが、スクラッチカードやポイントカード、ハンコ、スタンプ、ご褒美シールなどを集めることは、子供に大人気です。
女の子は、可愛いシールを集めることが好きなことが多いですね。
男の子は、スクラッチカードや、レアカードのあるカードシリーズに大喜びです。
せっかくなので、親御さんも子供たちと一緒に、頑張った度にシールやスタンプを増やすアクティビティを企画して、丸付けを楽しんでみてはいかがでしょうか?
ただし、学校の宿題プリントに直接シールを貼ったり、ハンコを押したりはできませんので、カレンダーや台紙を別に作ってみてください。
上の写真は、カレンダーにスタンプを押しただけの一例ですが、工夫次第で、毎日の宿題や丸付けも楽しくできるかもしれません。
カレンダーは、エクセルを使って、「新規作成」→「カレンダー」と選ぶだけで、すぐに作成することができます。
よろしかったら、2020年のカレンダー(エクセルで10秒で作成できます!)を作成しましたので、こちらからご自由にダウンロード下さい。
そして、宿題が終わって丸付けも終わったら、1つご褒美スタンプを押す、とか、シールを1枚はる、といった感じで、毎日続けていることを見える化することは良いアイデアだと思います。
子供は、毎日何かが積み重なっていくことに喜びを感じます。
毎日、さまざまなシールがもらえたり、ハンコがもらえたり、頑張った証しが積み重なって目に見えることで、またやる気がわいてくるものです。
こちらは、100円ショップで売っていたシールです。
以前、学習指導した子に、ワーク2ページごとに様々なシールを貼ってあげると大変喜んで、2ページは集中して学習していました。
中学生、高校生にはあまり通用しないのですが、小学生の女の子にはシールが人気です。
また、学習以外にも、お手伝いをしたら、シールをもらえるというような使い方もできるかもしれないですね。
親が丸付けを楽しめれば、子供も家庭学習を楽しめる!
学習は押しつけられたことをイヤイヤやっていても楽しむことはできません。
しかし、自分から進んで学習することは楽しく感じられます。
モノは考えようで、させられていると感じると、嫌な気分でしぶしぶ作業することにつながりがちですが、自ら喜んで進んで行うと、楽しくなってくるものです。
そして、楽しんでやっている人の周りには、楽しんでやる人が集まり、良い影響が広まり、良い循環が生まれます。
これは、仕事でもクラブ活動でも同じことが言えると思います。
古典の『論語』には、以下のような一説があります。
「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。」
物事を知っている人は、それを好きな人には及ばない。
物事を好きな人は、楽しむ人には及ばない。
要するに、楽しんでいる人が一番よく学ぶことができるということです。
宿題プリントの丸付けを楽しむ3つのコツ・まとめ
仕事や家事に忙しい親御さんだからこそ、宿題プリントの丸付けくらいは、時間をとってゆっくり見てあげてください。
テレビの時間を30分だけ割けば十分丸付けはできますし、しっかり子供と向き合う大切なコミュニケーションの時間と捉えると良いのではないかと思います。
失った時間は、戻ってきません。
子供にとっては、将来大人になった時、「子供の頃は、よくお父さんやお母さんが宿題を褒めてくれたな!」というイメージだけが残ると思います。
お父さん、お母さんの声がけは、良いことも悪いことも、子供に直接影響を与えます。
できるだけ、子供達が自己肯定感を高められるような、勇気を与える声がけを続けてほしいと思います。