「中間反抗期」という言葉を聞いたことがありますか。
2歳ごろに始まる第1次反抗期と思春期に訪れる第2次反抗期の中間あたりに訪れるという意味で「中間反抗期」と言われています。
ちょうど子供が小学生になり、学校という「社会」で過ごし始める6歳ごろから始まります。
この中間反抗期を親としてどう対処したらよいのか、一緒に考えてみましょう。
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中間反抗期の特徴
幼稚園・保育園までは素直に言うことを聞いていた子供が、小学校に入ってから、突然家庭で反抗的な態度をとることがあります。
親が注意しても、無視したり口答えをしたりします。
この中間反抗期が始まる6歳ごろの時期の男の子と女の子を比較すると、身長や体重など外見はあまり変わりません。
しかし、心の成長には大きな差があります。
男の子は、まだまだ幼く親に甘えていたい時期。
それに対して女の子は、精神年齢が高く、自分で考えて行動したい気持ちが高まる時期です。
男の子の特徴
小学生になり、学校では「なんでも自分のことは自分でやりましょう。」と先生に言われています。
ところが、家では着る服や学校の支度をおうちの人にやってもらうなど、自立できていないことも…そして、お母さんに抱っこや添い寝を求める甘えん坊です。
そんな段階ですから、反抗の裏には、甘えたい気持ちが常に見え隠れしています。
親の愛情を確かめるために「うるさい」「くそばばあ」などの暴言をはいて、親の気を引いたり反応を確かめたりしているのですね。
女の子の特徴
学校では、同じクラスの男の子の世話をするなど、お姉さん的存在になりたがるのがこの時期の女の子です。
何でも自分でやってみたいと思っているので、家でがみがみ言われたり要求されたりすると、イラっとして口答えをしたり親を無視したりします。
大人のことも冷静に見ているので、「お母さんだってできてないくせに。」などと、きびしい言葉が返ってくることもあります。
しっかり者で、家以外の場所では、とてもよい子の場合が多いです。
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中間反抗期の原因は?
なぜ中間反抗期が起きるのか、その原因を4つ紹介します。
不規則な生活
情報や物が世の中にあふれ、刺激が多く忙しい世の中になりました。
ゲーム、スマホ、パソコンなどの普及により、家庭での過ごし方もひと昔前とずいぶん変化してきました。
子供の生活リズムは乱れ、精神的に不安定になる傾向も見られます。
布団の中までゲーム機を持ち込む、睡眠不足になる、朝の寝起きが悪い、朝ご飯をしっかり食べない…。次第に体内時計が壊れ、精神状態が悪くなる。
このような悪循環の中で、子供は理由もなくムカついて、キレたり暴力をふるったりするようになってきています。
学校でのストレス
小さなことにも先生の目が行き届いていた幼稚園・保育園とちがって、小学校は一つの厳しい社会です。
そして、子供が社会性を身につけるトレーニングの場でもあります。
何事も「自分でやる」ことが基本なので、今までのように大人に甘えることができません。
さらに、たくさんの人間が集まっているわけですから、ケンカなどのトラブルが毎日のように起きています。
そんな中で、自分の気持ちが言えずに学校でがまんしている子は、家で気持ちを爆発させたり物にあたったりします。
親の過干渉
しっかり者の子供の中間反抗期の原因のひとつに、親の過干渉があります。
何でも自分でやりたいと思う成長過程にきているのに、親からは幼稚園のときのように「早くしなさい。」「宿題は終わったの?」などと口うるさく言われてしまうと、子供は無視したり部屋に閉じこもったりしたくなるのではないでしょうか。
過干渉は、自立したいという子供の意欲をなくしてしまう原因になります。
親の放任
甘えん坊の子供の中間反抗期の原因のひとつに、親の放任があります。
同じ6歳でも、まだまだお母さんの手助けや声かけが必要な子もいます。
「何でも自分でやりなさい。」と早くから手放してしまうと、子供が欲求不満になることがあります。
そして、自分の存在を認めてもらうためにわざと反抗します。
認めてもらえるような良いことをすればよいのですが、反対の行動をとるので親も困ってしまいます。
でもそれは、「甘えたい、もっと愛情をかけてほしい」の裏返しなのですね。
中間反抗期の子どもへの接し方、5つのコツ
このような中間反抗期の子供に、両親はどう接すればいいのでしょうか。
5つのコツを紹介します。
生活リズムを整える
まずは、子供が気持ちよく過ごせる生活環境を整えることから始めましょう。
生活リズムを崩している原因を考え、生活のルールを作るのもよい方法です。
例えば、「ゲームは1日に1時間」、「9時までに寝て7時までに起きる」などのルールです。
ルールを作ったからには、親も子供とできるだけ生活を合わせることが大切です。
子供が寝る時間になったらテレビを消して、絵本の読み聞かせをするのも効果的です。
子供の心の安定は、まず生活リズムを整えることです。
話を聞く
学校での人間関係等のストレスが、家に帰ってからの親への反抗に結びつくこともあります。
そんなときは、家で楽しいことをしたり話を聞いたりするなど、普段よりも愛情をかけてあげてください。
子供の気持ちに寄りそって、しっかり聞いてあげることが大切です。
たくさんほめる
人間だれしも人からほめられると、心が満たされます。
やるべきことをきちんとやったり良いことをしたりしたときに、しっかり子供をほめることが大切です。
ほめられる→自分に自信がもてる→素直になれる。
タイミングを外さず、子供を大げさにほめること。
そのためには、親が子供の言動を普段からよく見ていることが大切です。
きぜんと叱る
反抗期だからと言って、親が子供に遠慮する必要はありません。
ときには厳しく叱らなければいけないこともあります。
ただ、気分で怒るのではなく、ポイントを決めて冷静に叱ることが大切です。
また、兄弟で叱る内容が異なってくると、それが不信感につながることがあるので、気をつけなければいけません。
叱る3つのポイント
- 命にかかわるような危険なことをしたとき
- 人の心をわざと傷つけたとき
- やるべきことをやらなかったとき
心に余裕をもって子供に接する
子育てにマニュアルはありません。
子供は「生もの」ですから、基本的に親の思い通りには育たないものだと考えた方が、子育てはうまくいきます。
育児書に書かれていることをやってみるけれど、うまくいかない…そんな時に悩んで、暗くなったり子供につらくあたったりでは、逆効果です。
子育ては、おおらかな気持ちが大切です。
うまくいかない時は、楽しいことをやって気分転換するなど、常に余裕をもつように努めましょう。
まとめ
子供の成長は、千差万別です。
反抗の原因も対処法もいろいろです。
でも共通して大切なことは、親が「子供の気持ちに寄りそうこと」ではないでしょうか。
子供の反抗期を、成長の過程での親へのサインととらえ、心に余裕をもって対処できるといいですね。