子供の頃そろばんを習っていた方も多いのではないでしょうか。
一家に一台パソコンがあるような時代ですが、今またそろばんが注目されていることをご存知ですか?
なぜまた子供の習い事としてそろばんが見直されてきているのか、その理由についてお話しします。
そろばん=計算上手、とだけ考えているのはとてももったいないですよ!
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今時そろばんが必要?
計算なんて電卓があればできるし、今はパソコンさえあったら何でも出来るじゃないかと思うかもしれません。
たしかに、わざわざ手を使って計算しなくても機械が何でもやってくれる時代になりました。
しかし、機械を使うのは人です。機械を開発するのも人です。
新しいのものを生み出したり、何事にも意欲を持ってコツコツと取り組み、諦めない忍耐力をつけてくれるのは電卓やパソコンではありません。
そろばんは集中力や忍耐力など勉強で成果を出すために必要な力が身に付き、さらには自信までつくという優れた習い事なのです。
そろばんを小学生に習わせる効果とは
そろばんは計算がまだ出来ない、幼児や小学生の低学年のうちからやっておくと良いと言われます。
それはこのような力がつくからです。
集中力が身に付く
小さな子供は集中力がありません。
幼稚園や保育園で先生の話を黙って聞いていられるのはせいぜい15分が限界です。
しかし小学生になると急に集中しなければいけない時間が長くなります。
授業は45分。この時間、じっと座っていることすら出来ない子供もいます。
そろばんでは限られた時間の中で繰り返し問題を解くことによって、自然と集中力が身に付いていきます。
1問1問に制限時間がありますから、集中して解かないと正解が得られないためです。
それを何度も繰り返しているうちにいつの間にか長時間連続して集中できる力が身に付くのです。
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記憶力が良くなる
記憶力というと「暗記」だと思われるかもしれません。
では、そろばんは暗記ではなく計算をするのにどうして記憶力が向上するのか。
それは、そろばんの球を頭の中で動かして「視覚的な学習」をするからです。
言葉や年号を覚える時は左脳を使っていますが、イメージとしてそろばんを捉えて視覚的に情報処理をするそろばんは右脳を使います。
この右脳は、左脳の数千倍の記憶力があると言われており、そろばんはこの右脳を鍛えることができるために、結果的に記憶力が良くなります。
忍耐力がつく
複雑な計算や桁の多い計算をする時、1つでも間違えたら正解が出ません。
また最初からやり直しです。
そして、そろばんを始めた頃は間違いの連続です。
何度やっても間違えてしまう。
でもやり続けることしか正解にたどり着く方法はありません。
くじけそうになりながらも何度も何度もやり直して正解を導きだす。
このような反復練習を一定量こなすことで、今までできなかったことができるようになり、検定試験に合格する。
この過程を繰り返すことによって、小さな困難では諦めない忍耐力が身に付きます。
自分に自信が持てるようになる
勉強が出来るようになるためには、まずじっと座って先生の話を正確に聞き取り、理解することが大切です。
しかし集中力がないとそれができません。
小さいうちは先生の言ったことを聞いていないために他の子と違ったことをしてしまったり、勉強でも間違いが多くなったりします。
そうすると勉強そのものが嫌になってしまいますし、学校が楽しめなくなってしまうこともあります。
でもそろばんで集中力が身に付いていると、落ち着いて先生の話を聞くことができるために、勉強も良い成績がとれるようになります。
計算力は他の子とは段違いになりますから、「自分は勉強ができる」「勉強が楽しい」という思いを持つことが出来て、自分に自信も持てるようになります。
たとえば私のスクールでは3年生でも、下にあるような桁の計算は暗算でできるため、自信がつくのも納得です。
- 37×827=
- 258×63=
- 835×64=
判断力、決断力が身に付く
そろばんで自分に自信が持てるようになると、判断力や決断力も身に付くようになります。
そろばんはスピード勝負ですから、何度も繰り返し計算しているうちに、頭の回転が早くなり(脳の処理速度が上がる)素早く判断ができるようになります。
また、そろばんの検定試験合格で小さな成功体験を積み重ねていくうちに、
「間違ったら、やり直せばいい。たとえ今できなくても、僕はいつかできるようになる。」
このような自信を持つようになります。
自分に自信を持った子供は、間違えることに恐怖感をあまり感じないため、素早く決断することができるようになります。
基礎学力が身に付く
勉強は面倒なものです。
考えないと答えが出ないので、答えが出るまで取り組む地道さが必要です。
勉強ができない子は学習能力がないのではなく、途中で諦めてしまったり、忍耐力が足りていないことが大きな原因です。
じっくり考えれば分かるのにそれを途中で辞めてしまうから答えが出ない。
その結果、勉強が嫌になってしまいます。
しかしそろばんをやっていると、その「面倒なこと」に慣れていきます。
地道な作業が面倒でなくなるので、じっと本を読んだり、繰り返し問題集を解いたりといった行動が無理なくできるようになります。
それが基礎学力の向上につながり、算数や数学だけでなく、すべての教科に意欲的に取り組む子供に育ちます。
そろばんを小学生が習う効果のまとめ
子供に必要なのは、小さいうちから高度な勉強をしたり、英語が話せることではなくて、人の話をしっかり聞くとか、ひとつのことに集中して取り組むという基本的な「学ぶ姿勢」を身につけることです。
そのために役立つのがそろばんです。
自分で努力しないと答えが出せないそろばんは、パソコンのように検索したら簡単に答えが出てくるものではありません。
そろばんを通して身に付いた力は、大人になってからもきっと役に立つはずです。