これまで塾で長い間多くの児童、生徒を見てきましたが、中には、自信がない子供もたくさんいました。
成績を上げる前に、「自分はできる」という自信がないと、いくら勉強を教えても能率が上がらないものです。
「今はできないかもしれないけれど、頑張れば将来できるよ!」という声がけで、少しずつ自分に対する自信をつけて成長していった子供たちもたくさんいます。
これまで経験したさまざまな子供の実態から、私が思う「子供に自信をつける方法」についてお伝えしたいと思います。
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自信がない子供の原因
塾講師から見た「自信がない子供」の特徴や考えられる原因を挙げてみました。
コンプレックスを抱えている
怒られた経験が多い
ママも弱弱しい
親が厳しく意見を否定される
失敗をした経験を引きずっている
グズグズしている、すぐに決められない
「自分はできない」という思い込みをしている
自信をつけさせるために親ができること
人間は経験したことから物事を考えることが多い生き物です。
失敗することが癖になってしまっている子にとって、チャレンジすることは苦痛かもしれません。
「どうせまた失敗する」「どうせできない」と思い込んでいると自信は持てないので、その考え方の部分に働きかけられると効果的だと思います。
家庭での言葉づかいに気をつける
もし、パパやママが、「どうせ無理だよ」など、マイナスな言葉を家でよく使っているとしたらそれは改善すべき点だと思います。
子供は親の言動をよく見て育ちます。
経験から様々なことを学び、自分に取り入れていきますので、親の言動が大変重要です。
もしマイナスな言葉をつぶやく癖がある場合は、それをできるだけポジティブな言葉を使うように心がけてみてはいかがでしょうか。
「今日はちょっと疲れているけど、〇〇のために頑張るぞ!」とか、「やればできる!」など、元気が出るような言葉を意図的に使うことで、家族全体の普段の雰囲気も良くなります。
明るい家庭、前向きな言葉遣い、笑顔あふれる日々、このような家庭の生活の中で、子供は徐々に自信をつけていくものです。
元気の良い大きな声を心がける
自信のない子供は、概して、声が小さいです。
しかも、話をする時に、声が震えていることもあります。
逆に、自信過剰気味な子供は、声が大きく、堂々としています。
ご家庭で、パパやママが優しく小さな声でお話しされているのかもしれませんね。
でも、子供は子供で、元気が一番大事な時期なので、元気な声であいさつや会話ができるようにサポートしてあげられると良いと思います。
何か質問に対して、「はい!」という元気な返事ができること。
また、「おはよう」や「こんにちは」、「いただきます」や「ただいま」など、当たり前のあいさつですが、元気よく、しっかりとできるように普段から慣れておくことが将来的にも大切なのではないかと思います。
まずは、元気なあいさつから練習してみたらいかがでしょうか。
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背筋を伸ばして堂々とするクセをつける
自信がない子は、背中がビシッと伸びていない子が多いように感じます。
前かがみで、いかにも自信がなさそうな雰囲気がありますし、実際に、前かがみの状態でいつづけると、気持ちも前かがみになって、更に自信がなくなっていくかもしれません。
形から入ることになりますが、背筋をびしっとさせることで、心もビシッと決まるものです。
姿勢は大変重要なものです。
背中が曲がった人は、将来的にも自信がなさそうに見える人になってしまいますので、小学生のうちから、背筋が曲がっていたら、まっすぐに伸ばすクセをつけると良いと思います。
自信と背筋、直接はつながっていないように思われますが、昔から、まず形を整えるということは非常に重要です。
レッテルを貼らない・決めつけない
子供は経験が少なく、何事においても新しいチャレンジの毎日です。
新しいことにチャレンジする時に不安を感じない人はあまりいないと思います。
不確定要素がたくさんあることに対して、たとえ大人でも不安はついて回ります。
不安を抱えている子供に対して、
「あなたはこうでしょ」
「この子は、いつもこうだから」
などという言葉をかけて、可能性を押さえつけたり、レッテルを貼ってしまったり、子供の将来を決めつけたりしていないでしょうか。
思い込みというものは恐ろしいもので、子供は自分で自分にバリアを作ってしまう可能性があります。
親が勝手に、「この子はこういう子」と決めつけてしまうと、そうなってしまいます。
「この子は、自分で宿題ができない子なんです」と言ったら、そう思い込みますし、そうなってしまいます。
「こういう子だと思っていたけど、意外とこういうところがあるんだね!すごいね!」
「今はできないけど、将来できるようになるよ!」
このように、将来は変わるという見方で、期待を込めて声がけをするだけで、子供の心に「やればできる!」という自信が育まれてゆくものです。
子供を認める
子供はとにかく構ってもらいたい、認めてもらいたい生き物です。
いたずらをするのも、注意を引きたいからだったりしますし、引きこもることも実は構ってほしいという心の表れです。
子供が皆素直であるわけではないので、それぞれ、心の表現が異なります。
大切なことは、子供が言葉を発する時、あからさまに遮ったり、否定したり、「今は忙しい」などといって拒絶しないことです。
何かを言いたい気持ちを遮ってしまうと、子供の心は大きく傷つきます。
逆に、最後までしっかり話を聴いて、受け止めてあげると、信頼関係が生まれ、何でも報告してくれるようになります。
また、子供が自分で決めたことを尊重するというのも大事だと思います。
親が決めたことに従わせるのではなく、自分で考えて自分で決めて、自分で行動することを認め、尊重することが大事です。
子供の良いところを見つけて褒める
子供はほめられることが大好きです。
褒められることは、子供に限らず、人間誰でも大好きですね。
褒められることで子供は自信をつけることができます。
自信過剰になってしまったらいけないと思われる親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、子供は自信過剰くらいがちょうど良いと思います。
怒られるが怖くておびえる子供より、多少自信過剰気味な方が可愛げがあると私は個人的に思います。
日本では、褒められると謙遜しますが、アメリカなど海外では、たいていの人は自信があり、褒めるとThank you.といって当たり前だという反応が返ってきます。
日本人はそういう気質ではないので、人前で自分の子供を褒めることは、伝統的にあまりしてこなかったという経緯はありますが、子供がそれによって「自分はできない人間だ」という思い込みをしてしまわないように気をつけた方が良いと思います。
褒める時のコツとしては、子供の良いところを見つけることだと思います。
同じ出来事でも、良い点と悪い点が表裏一体です。
悪い点は良い点でもありますので、良い方を見て褒めるように心がけると良いと思います。
注意する時は、欠点だけを挙げるのではなく、
「あなたの○○なところは良いね。もう少し〇〇だと、もっと良くなるね!」
このような言葉づかいで伝えると、前向きにとらえられると思います。
自信がない子供の原因・まとめ
子供に自信がない原因はさまざまなものがあると思いますが、自信は経験を通して、心の中に築いてゆけるものです。
1人でも多くの子供たちが、自分に自信をもって、新しいことにどんどんチャレンジできるようになってもらえると良いなと思います。
そのためには、家庭生活での親の声がけやサポートが不可欠だと思います。