2020年4月現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、学校が一斉休校となり、感染拡大が懸念されている多くの地域では、ゴールデンウイークの後まで休校措置がとられているところもあります。
1カ月の家庭内での外出自粛要請ですが、子供達にとっては大変な1カ月だと思います。
学校のお友達に会えず、外にも十分に行って遊び回ることができない。
また、公共の施設も多くがクローズといった状況で、ストレスが発散できない日々を過ごすことになるでしょう。
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既に始まっているリモート学習(Remote Learning)
今後、おそらく学校教育は大きな転換期に入ると考えられます。
これまでは、対面式の教育、一斉教育に焦点をあてて教育が行われてきましたが、3密(密集、密閉、密接)という感染症のリスクが懸念される学校教育の現場では、大きな変化を余儀なくされるといっても過言ではないと思います。
今回は、リモート学習やリモート教育といった、家庭学習をパソコンやタブレット端末を最大限に利用して学習を進めてゆくスタイルが更に拡大してゆくことを想定し、どのようなことに気をつけたら家庭での学習が効果的に進められるかについてまとめてみました。
日本の教育現場では、まだそれほど取り入れられていないリモート学習ですが、海外の学校や、一部の通信制の高校ですでに利用されているシステムを調べてみましたので、家庭学習のヒントになれば幸いです。
リモート学習(Remote Learning)が当たり前になる日も近い?
インターネットを利用した通信制の高校も既に日本には出現して、学校に行けない、通学したくないといった様々な背景のある高校生が自宅から授業を聴いて学習する時代になっております。
不登校の中高生を受け入れている一部の通信制の学校では、学校に毎日通えなくても、家庭でPCを通して授業を受講したり、課題をメールで送信したりして、最低ラインの通学日数を確保すれば、卒業単位をとれるという制度を設けているところがあります。
海外の大学や大学院教育でも、このリモート学習システムは導入されており、仕事の合間をぬって録画された講義を受講する学生や、家庭や図書館など様々な場所で、PCを通して課題を提出したり、チャットシステムなどを使って相談や学習などを行っているようです。
最近では、働き方改革が声高に叫ばれ、通常業務をテレワークに変換するとか、リモートワークの推進などが提唱されておりますが、この流れはいずれ学校教育の場にも導入されるかもしれませんね。
リモート学習の推進で起こりうる学校教育業界の変化
リモート学習を行っている学校で実際に起こっていることや、世界の大学で実際に行われている通信型の教育システムの状況を踏まえて、今後起こるのではないか?と予想されることについて挙げてみました。
オタクやマニアックな子が現れる時代【個別学習が主体】
リモート学習で可能になることは、できる子はどんどんレベルアップして更に上級の授業を受講してゆき、できない子は最低レベルで推移してゆくケースが起こりうるということです。
例えば、英語が得意な子は、どんどん英語の授業や英語のドリルを進めてゆき、学年を超えて学ぶことも可能です。
また、好きな科目や興味のあることをとことん調べたり、研究したりして、極めることも可能です。
アメリカなどで実際に行われている、飛び級や落第といった教育システムが日本でも導入されるかどうかはさておき、実力のある子はどんどん成績を伸ばし、一定数の落ちこぼれが出てしまうことも否めないでしょう。
どんな科目も平均的にまんべんなくできる子より、社会では、何かの知識が特に高いオタク系やマニアックな人が重宝される時代になっていくのではないかと思われます。
ずるい事ができない時代【個人が管理される】
個人にIDが与えられて、自分の学習は自分だけが行うことになりますから、友達や他の人の力を借りたりして、不正に課題を提出することが難しくなることは良い点かもしれませんね。
大勢の子供達が一斉に授業を受ける時には、サボっていてもバレなかった子供も、課題を済ませたかどうかが、教師側で管理画面で確認したりできますので、誰がやっていないかわかります。
人間関係がさっぱりと希薄化
対面で話すことが少なくなるので、大勢のクラスメイトなどと人間関係のドロドロとした問題は減ると思われます。
逆に、学校で一緒にいたずらをしたり、休み時間に遊んだりするような親しい友人を作るのは苦労するかもしれません。
ですから、社会人になってゆくために必要な人間関係力をどう築いて、成長してゆくべきか、そんな課題も生まれますね。
人と人の関わりが薄まることで孤独を感じる人は増えるかもしれませんね。
ペーパレスの時代
英和辞典や和英辞典も、昔は重い辞書を持参して辞書をめくりながら授業を受けましたが、電子辞書のおかげでそのような光景を見ることも減りました。
もし教科書が全て、タブレット端末の中に全て入ってしまったら?
もう教科書を詰めこんだランドセルを背負って学校に行かなくても良いですね。
宿題や課題もノートに書いて提出ではなく、ワードファイルにまとめてメールで提出となれば、紙類もいらなくなります。
ペーパレス化は更に加速してゆくかもしれません。
授業が下手な先生は上手い先生に淘汰される
さまざまな先生が切磋琢磨して授業を工夫して行うことになるのでしょうが、授業の上手な先生には多くの生徒が集まってくるようになります。
授業がわかりやすくて上手な先生が1人いれば、大勢の生徒を一斉に教えることができるのがウェブ授業の特徴です。
先生の間の格差はこれまでそれほど無かったかもしれませんが、生徒によって先生の授業が評価される日も近いかもしれないですね。
アナログ作業や手書きの減少
課題がPCを通して出されると、丸付けもPCがやってくれるということが起こります。
これまで、先生が生徒の宿題ノートの丸付けをしたり、テストの丸付けを行ったりしてきたアナログな仕事が軽減されるかもしれません。
先生も生徒も手書きすることが減り、ウェブ上でタイピングをすることが増えるでしょう。
電源が落ちたら大パニック!?
リモート学習では、インターネット環境が大前提ですから、もし停電や通信障害などが起こってしまったら、一気に何もできなくなります。
PCスキルが無いと何もできない教育システムとなると、脆弱性が見つかった時心配ですね。
リモート学習の成功の6つの秘訣
ここからは、実際にリモート学習を行う際に気をつけたいこと、また、これを守ると効果的に学習できるといった家庭学習のヒントをご紹介します。
生活習慣を整えること
早寝早起きを習慣にして、たとえ丸一日、家で過ごすとしても、洗顔、朝食、歯磨き、着替え、と日常生活のリズムを崩さないようにしましょう。
リズムが乱れて、遅寝遅起き、髪もボサボサ、食事も不規則となると、勉強の前にやる気が無くなって、さまざまな精神上、健康上の問題も起きてしまいます。
心と体はつながっています。
生活習慣の乱れは、学習に大きな影響を与えてしまいますので、まずは、朝の日課をきちんと続けること、朝を制すれば、今日の学習はスムーズにスタートできるでしょう。
効果的な時間管理を行う
学校のようなきちんとした時間割を作ることは難しくても、大体のタイムスケジュールを作って、それに沿った一日にすることをおすすめします。
例えば、1時間学習したら、10分~15分は休憩するといったように、適度に集中と休憩をくり返して、負担が大きくなり過ぎないようにして下さい。
今日は2時間ぶっ続けで集中できたけど、明日は全く集中できない、といったことが起こると効率が下がります。
毎日、一定時間、淡々とスケジュールに沿って学習できると理想的ですね。
インターネットアクセス環境が大事
Wi-Fi環境や、PCの接続状況が悪いと、動画が止まってしまったりして、学習中にイライラしてしまうことがあります。
ですから、PC環境の良い子はサクサクと学習が進められますが、そうでない子は、イライラしながら学習することになってしまうという差が生まれてしまいます。
アナログな授業ではありえないことですが、リモート学習では、かなりPCの接続環境が大切なことを知っていただきたいです。
集中できる学習場所を選ぼう!
学校には教室があり、学校の先生がおりますから、授業のスイッチが入りやすいですね。
家庭では、誘惑がたくさんありますから、例えば、テレビの前のリビングテーブルの上で勉強するとなると、テレビをダラダラ見ながら勉強する、といったことが起こります。
しかし、家庭学習では、集中できる環境を整えることが大切です。
誘惑のない静かな場所で、学習に必要なものだけを用意して、集中するために快適な場所を選びましょう。
課題のバランスを大切に!
課題が簡単だからと調子に乗って、一日にふさわしい分量の課題をいくつもやってしまうというのは、今日は良いかもしれませんが、明日のモチベーションの維持には良くないかもしれません。
人はノルマを感じるとやる気が下がってしまったりする生き物ですから、課題をたくさんする意気込みはあっても、毎日そのやる気が続くわけではありません。
三日坊主になってしまわないために、まだ少し余力があるような状態でストップして、翌日にやる気を蓄えておく、くらいが丁度良いと思います。
サポート体制を築く
大人でも自主学習を続けてゆくことは難しいです。
まして、子供はある程度の強制力を働かせなければ、自主的に学習に向かってもらうということは難しいと思います。
学習が大好きな一部の子供を除き、多くの児童・生徒には、サポートしてくれるメンターのような役割を果たす人が必要です。
普通の家庭では、お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんがいれば、その方が担ってくれると助かりますね。
課題をやった時に、褒めてあげたり、困っている時に助けてあげたり、勇気づけてあげられる人とつながっていることで、効果的な学習が進められます。
メンターやコーチのような人が、面倒をみてくれて、そっと優しく背中を押してくれると理想的ですね。
おすすめのリモート学習
家庭でできるリモート学習で、スタディサプリというシステムがあります。
もしよろしければ、下記のページで紹介していますので、お時間ある時にご覧ください。
スタディサプリとは?
休校中の家庭でリモート学習をすすめるコツ・まとめ
今後、リモート学習(海外のRemote Learning)は、日本の教育にも少しずつ導入されてゆくだろうと予想されます。
この流れは、学校教育に限らず、ますます加速してゆくことが考えられます。
例えば、塾に通う必要がなくなったり、予備校の授業を家庭で受講できたりと、今後は需要と共に様々な学習サービスが提供されることでしょう。
時代の流れに合わせて、子供さんの学習に良い影響が出るよう、親御さんもしっかり学んで環境を整えること、応援して頂けることをお願いしたいと思います。