子供にお金のことについて家庭で教えていますか?
それはただ買い物ができるように計算方法を教えることではありません。
お金のことを知らずに大人になってしまうと、安易に借金をしてしまったり、収支のバランスがわからずに身分不相応な使い方をしてしまったりトラブルにつながる可能性があります。
生きていく上で切っても切れないお金のことについて、子供のうちからしっかり学んでいくことが大切です。
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子供にお金の教育が必要な理由
日本の学校では、生きていく上で欠かせないお金のことや経済のことを教えません。
ですから、子供が小さいうちから、家庭で正しいお金の使い方を教える必要があります。
社会の成り立ちを知るため
私たちの日本社会では、多くの人が仕事をして税金を納めて、その税金のおかげで市町村の施設や学校の運営が成り立っています。
救急車を呼ぶと高額な請求をされる国もありますが、日本では急病の人は無料で救急車を利用できます。
これは税金で費用がまかなわれている一つの例です。
子供にとって、政治や経済などの難しいことはわからないかもしれません。
しかし、自分の所属している社会では、皆が働いたお金の中から一定の税金を支払い、一人一人が社会に貢献しているということを知っておくことは大変重要なことです。
自立心を養うため
将来自立して生きてゆくには、親が働いている苦労を知っておくことが重要です。
自分が家庭で温かく育てられている環境は、当たり前ではないということを知る必要があります。
生きてゆくには、毎日一定のコストがかかっており、食事や家賃、衣服にかかるお金はすべて親や家族が仕事をして得られたお金から支払われているということを早くから知っておくことは大切です。
子供が、お金についてより深く知ることで、早い段階で自立心が生まれ、自分の将来のイメージが明確になるかもしれません。
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子供に伝えるべきお金にまつわる3つのこと
日本には「清貧」の思想というものがあり、次のような風潮があることは否定できません。
お金のことを口にするのははしたない
お金儲けのことを考えるのは良くないことだ
しかし、子供には、以下のことは最低限伝えるべきだと思います。
やりたいことをやるためにはお金が必要
お金で全てのものを手に入れることはできませんし、お金よりも大切なことはあります。
しかし、同時にお金があるからこそできることもたくさんあります。
自分が行きたい学校へ行って学ぶことも、海外へ行って仕事をするにも、何をするにもまずはお金が必要です。
その現実から目をそらさずに、やりたいことを実現するためには一定のお金がかかるのだということを子供のうちから認識することはとても大切です。
お金は道具の一つであるということ
同時に、「お金があれば何でもできる」、「お金が一番大事」と偏ってしまわないよう教えていく必要があります。
お金というのはあくまでも夢を実現するための手段の一つに過ぎず、人生の目的ではないからです。
お金にとらわれた人生にならないように、お金を正しく使えるように、お金に使われるのではなくて使う側になるのだということを教育していきましょう。
お金を得る方法
お金はどうやって手に入れることができるのかと言えば、通常は親が働いているからですね。
「働く」ということは、社会に価値を与えることで、「お金」はそれによって得られるものです。
自分も将来お金を得るためには、人や社会に価値を与えることが必要なのだということを小さいうちから知っておいて欲しいものです。
家庭でできるお金の教育
それでは具体的に、家庭ではどのようなことをどうやって教えていけば良いのでしょうか。
おこづかいは定額制にする
欲しいといった時におこづかいをあげるという家庭もありますが、金銭感覚を身につけるには定額制にした方が良いでしょう。
おこづかいを渡す時期は、1週間単位でも1ヶ月単位でも良いでしょう。
子供が小さい間は1日単位であげて「たまっている」という感覚を身につけるのも良いかもしれません。
いずれにしても「もらった範囲の中でしか買い物ができない」ということを学ばせます。
例えば1ヶ月に300円しか入ってこないなら、1年ためるといくらなのか。
欲しいものを買うには何ヶ月分ためればいいのかということを考えるきっかけになります。
将来社会に出て就職したら、入ってくるお金は一定になりますから、その中でどう暮らしていくのかということを考えられるようになって欲しいですね。
使う楽しみも必要なので、おこづかいのいくらかは使ってもいいことにして、いくら貯金するかを子供と相談して決めてみましょう。
その上で使ったものについては、何にいくら使ったのかということの記録をつけます。
その記録を振り返ることで、これは必要なかったな、これは安く買えてお得だった!などと自分のお金の使い方を評価することができます。
普段の買い物を子供と一緒にする
小学校の低学年ですとおこづかいは月に数百円くらいでしょうか。
子供と一緒にスーパーに行って買い物をすると、次のようなことが学べます。
ジュースは1本いくらくらいかかるのか
いつも食べているお菓子はいくらくらいなのか
自分のおこづかいの金額と比較してみると、高い、安いというのが感覚的にわかると思います。
今日食べるおやつをおこづかいから買わせるというのも良いかもしれません。
チョコレート食べたいなと思っても、100円しか持っていない。
100円で買えるのはどのお菓子か、100円で1使うのと30円のものを3使うのとどちらが得なんだろう。
そのようなことを考えさせるきっかけにもなります。
足りない時は稼ぐ方法もあり
欲しいものがあるけれど、毎月のおこづかいを貯めているだけでは到底たまりそうにない。
そんな時には、家の手伝いをすることで稼ぐ方法があるということも教えてあげましょう。
ただし、普段やっている家のお手伝いを全ておこづかい制にしてしまうのは良くないです。
普段から行っているお手伝いは家族の一員としてやるべきことなので、それ以外の普段やっていない手伝いをするようにします。
例えば、お母さんがやっている毎日のお風呂掃除を全て自分がやる、1ヶ月継続したら○○円プラスしてもらうなど、やり方と金額を決めてからスタートすると良いでしょう。
お金の使い方を批判しない
ある程度子供にお金の使い方を任せようと思ったら、親があれこれと口を出しすぎないことも大切です。
無駄遣いをして反省するということも必要ですし、最初から親がブレーキをかけて「そんなものに使うなんてもったいない!」とやめさせてしまっては、子供が自分で使い方を学ぶ機会を奪ってしまいます。
思ったようにお金が貯まらないのはなぜか、お小遣い帳を元にアドバイスをすることはいいですが、親の価値観で使い方に口を出すのは避けた方が良いでしょう。
その子の性格に合った方法を考えよう
お金の教育といっても「これが正解」という絶対的な方法があるわけではありません。
例えば、おこづかい帳ですが、コツコツと細かいことが得意な女の子でしたら、使った分をその都度書き入れ、収支を計算するのも苦にならないかもしれないですね。
でも、めんどくさがりの男の子だったら、全て自分で管理するというのは苦痛になるかもしれません。
例えば、そのような場合は、使った分はノートにレシートを貼るなどして可視化していけば良いかもしれませんね。
最初に500円もらったなら、100円のレシートを貼って「残400円」とだけ書き込んでおく。
それなら続くと思います。
どうすれば自分でお金を管理できるようになるか、どのやり方が続けやすいかということはその子によって違うので、その子に合った方法を考えていくことが大切ですね。
子供へのお金の教育の方法・まとめ
お金の教育というと、投資などの知識を教えることだと思われがちですが、そうではありません。
お金は大切だけれど道具の一つに過ぎないこと、必要なものに使い、時には我慢することも必要だということを教えることであり、それはより良く生きるということを教えることにもつながってゆきます。