親の悩み

原因不明な不登校や引きこもりの予兆と対応方法【放っておくはNG】

2020年4月6日

2020年4月現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、入学式や始業式をゴールデンウイークの後に開催する小中学校・高等学校が増えています。

思ってもいなかった臨時休校や長期休暇で、子供たちにとっては朗報なのかもしれませんが、親御さんにとっては、勉強の遅れや、規則正しい生活が崩れることへの心配も多いでしょう。

 

その中でも、長期休暇の後で心配なことの一つは、学校再開時の「不登校の恐れ」ではないでしょうか?

現在、不登校は、どんな子供さんでも起こりうる現象です。

特に、自宅での生活に慣れてしまった場合、これまで学校に行くことが大好きだった子供さんだとしても、学校に行くことが億劫になったり、何となく行きたくないと思ったりすることが出てきます。

 

学校での「いじめ」や教師との人間関係などが原因の場合もありますが、特にこれといった特定の原因が見つからない、原因不明な不登校も多々あるようです。

どんなに元気なお子さんでも、ちょっとしたことが原因で、ある日突然不登校ということが起こりえます。

今回は、不登校の子供を増やさないよう、不登校の原因や、それを予防するための方法について紹介します。

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不登校の定義

文部科学省の学校基本調査によると、不登校というのは、病気や経済的な理由を除き、何かしらの理由で年度間に連続かまたは断続して30日以上登校しない(できない)ことによって、欠席した児童生徒のことを指します。

 

病気や経済的理由以外の理由としては、心理的なことや精神的な問題、身体的な問題、社会的要因や背景など、さまざまな原因が考えられますね。

 

不登校の9つの原因

一言で不登校といっても、原因や背景はさまざまであり、また、いくつかの要因が複雑に絡み合った場合もあります。

以下は、不登校でよくある原因ですが、ここに挙げた例以外の原因もありますので、ご理解ください。

 

学校生活での人間関係

学校生活での人間関係におけるストレスは、児童・生徒間のトラブル(いじめや嫌がらせ行為など)もあれば、教師との人間関係、クラスになじめないなど、さまざまな原因が挙げられます。

特に重要な問題は、「いじめ」となりますが、そうでなくとも、多くの児童・生徒が集まる学校においては、ほんの些細なことがきっかけで、友情関係にひびが入ったり、無視されたり、悪気はなかったとしても、心に傷を負ってしまうような出来事は日々起こっています。

 

生活リズムの乱れ

ネットサーフィンや、YouTubeなどの動画の見過ぎ、また、ゲームのやり過ぎなどによる昼夜逆転の生活リズムができてしまうと、学校に行きたくても、行けないという事態が起こります。

 

朝、起きたくても起きられない、夜、寝たくても寝られないという、時差ボケのような状態は、生活リズムがズルズルと崩れる原因となります。

数日学校に行けない日が続くことで、この事態は続き、深刻な不登校になりかねません。

 

勉強についていけない

数日の勉強の遅れが、やる気を失う原因になってしまうこともあります。

たった数日学校をお休みしただけなのに、全く勉強が分からなくなってしまうといった状態は、子供のやる気を喪失させてしまうことがあります。

 

授業中、皆が分かっているのに、自分だけ全然わからないというストレスで、学校が楽しくない、学校に行っても授業が苦痛だという気持ちになってしまいます。

勉強の遅れは、できるだけ最小限になるよう、早めに対処することをおすすめします。

 

非行

小学生ではさすがに少ないと思いますが、中学生、高校生になってくると、悪い遊び仲間ができて、非行に走ってしまうケースもあります。

 

さまざまな家庭事情や社会背景なども絡んでおり、子供一人の意志で非行に走ることは少ないと思いますが、非行による不登校も多少はあるようです。

 

無気力

特にこれといった理由は見つからないが、無気力ややる気のなさから、あまり学校に足が向かないという子供もいます。

登校しないということに、あまり罪悪感を感じておらず、遅刻や早退などもしやすい子供たちです。

 

情緒不安定

不安や心理的に不安定な状態が続き、学校に行こうとすると、体調が悪くなったりする子供もいるようです。

トラウマとなるような原因があるのかもしれませんが、無理に学校に行かせるよりも、精神的な安定をまず必要とする状態です。

 

意志ある登校拒否

はっきりとした意思があって、学校に意味を見出さないため、学校に行かないタイプです。

自分のやりたいことがはっきりしていたり、学校に行くことの必要性を怪しんでいるため、学校という存在自体を拒否しているような状態の子供たちも少しいるようです。

 

発達障害

もともと発達障害などの特徴があり、コミュニケーションが苦手だったり、学習が苦手だったりするケースも多く見られます。

いくら友達を作ろうとしても、常に一人だけポツンと外れてしまったり、空気を読めない発言をして、友達に嫌われてしまったりという特徴があります。

 

発達障害に関しては、「うちの子、もしかしたら当てはまるかも?」と、疑いがあると思われる場合は、早めに専門の機関に相談してみることをおすすめします。

 

複合的な理由

特定の理由が見当たらないが、いくつかの要因が複合的に重なって、不登校となっているケースです。

何が主な要因か、わかりかねるケースです。

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不登校の予兆を見逃すな!【学校や家庭での20の予兆】

家庭での8つの兆候

以下の8つは、不登校の兆候となるサインの例です。

この他にも、家庭生活において、いつもの様子と違うな、と感じられる兆候があれば、早めに察知し、注意深く観察することをおすすめします。

 

朝、起きることができない

いつもは元気に「おはよう!」と起きてきた子が、自分で起きてこない、起きようとしない、起きるまでに何回も起こしに行く必要がある、といった場合は、学校にストレスを感じている最初の兆候かもしれません。

 

深夜までネットやゲームで遊ぶようになった

いくら注意しても、夜中までゲームやネットなどで遊んでいる場合は、現実逃避に走って、学校を遠ざけたいサインかもしれません。

 

家ですぐにカッとなることが増えた

気にしていることを言われたり、何となくイライラしている状態が多いと感じる場合も、人に言えない悩みを抱えている可能性があります。

 

何となく元気がない

どことなく声に張りがなかったり、あいさつしても返事が弱弱しかったり、何となく元気がないというのも、心に何かしらの心配なことがあるサインです。

 

あまり笑わなくなった

表情が暗くなったり、笑い声が聞こえなくなったら、それも心配なサインの一つです。

 

食事の量が減った

大好きだった食事の時間に、あんまり食欲がないというのは、胃腸がヘルプサインを出している証拠。

いつもより箸が進まないな、と感じた時は、注意して様子を見ましょう。

 

あまり会話をしなくなった

楽しいことがあると、人に話したくなるものですが、悲しいことや辛いことは、心の内に秘めようとしがちになります。

家族の会話が減ってしまうというのは、何か不安の表れかもしれません。

 

友達や学校の話題を出さなくなった

楽しい友達とのやり取りや学校での出来事を話さなくなるというのは、何か学校でトラブルや良くないことが起こっている兆候かもしれません。

学校が楽しい子供たちは、親に聞いてもらいたくて仕方がありませんから、学校の話題が出ないというのは、ちょっと心配かもしれないですね。

 

学校での12の兆候

ここからは、学校の教師が気づくべき学校での子供のヘルプサインのリストです。

親御さんが学校でその状況を見ることはできませんが、学校の先生にどんな様子か、教えてもらうことも時には必要かもしれません。

  1. 休日明けに休むことが多い
  2. 欠席や遅刻・早退をしたがる
  3. うつむいていることが多い
  4. 声が小さくなった
  5. 一人ぼっちでいることが多い
  6. 教師や他の生徒との交流が少なくなった
  7. 成績が下がる
  8. 宿題を忘れる・遅れて提出する
  9. 体調不良を訴えることが増えた
  10. 用もないのに職員室に来たがる
  11. 保健室に行く回数が多い
  12. 特定の授業だけ休みたがる

不登校を防ぐ4つの方法

ここからは、具体的に、どのように不登校を防いでゆくかという対処法について述べていきます。

他にも方法は多々あると思いますが、オーソドックスな方法をまずはご紹介します。

 

1人で悩まない

一番いけないことは、1人で抱え込んで、1人で悩むことです。

日本全国に同じような悩みを抱えている親御さんや子供たちはたくさんおりますので、決して1人で抱え込まないで、誰かに相談したり、政府のサポートなどを利用することをおすすめします。

一刻も早く解決するためには、早い段階で気づいて、先手を打つことがとても大事です。

サポート体制が必ず各都道府県に整備されていますので、手遅れにならないよう、できるだけ積極的に受け止めて、さまざまなネットワークを利用して相談してみましょう。

以下は、不登校関連で利用できるサポートです。

  • 適応指導教室の利用
  • スクールカウンセラー制度の利用
  • 心の教室相談員への相談
  • 学校の先生
  • 病院や心のケア診療所
  • 養護教諭(保健室の先生)
  • 教育支援センター
  • 民間施設(フリースクールなど)

 

放っておかない・見て見ぬふりをしない

冒頭でも書きましたが、どんな子供でも不登校になる可能性を秘めています。

最初のサインは、気づいてほしいというサインでありますから、放っておくとどんどん悪い方向に進んでしまうかもしれません。

 

変な兆候に気づいたら、放っておかず、何かしらの対処をできるだけ早く行いましょう。

一番いけないのは、気づいているけれど、面倒だから見て見ぬふりをする、放っておくという対処です。

 

手遅れになって、本当に重度の不登校になってからでは、復活するまでに、よりたくさんのエネルギーが必要になりますので、面倒がらず、しっかり問題に向き合う努力をしてほしいと思います。

 

怒らない!【認める・共感する】

学校に行きたくないと悩んでいる子供たちは、親よりも誰よりも、一番自分がよく状況をわかっています。

誰よりも、自分が一番、罪悪感と自信喪失の状態となって、悩んでいるのです。

自分が一番気にしている悩みに対して、親から怒られたりすると、どん底に落とされて、自らの命を絶つという選択肢さえ出てきてしまうので要注意です。

まずは何よりも、怒りを抑えて、とにかく、寄り添って、丸ごと子供の言い分を聴くこと。

まずは、とにかく心から傾聴することを心がけてほしいです。

 

どんなに子供の言い分が理不尽でおかしいと思っても、反論せず、まずは全部丸ごと話を聞いてあげましょう。

ここで、話を無理やり引き出すよう強要することはおすすめしません。

逆効果になる可能性があるからです。

どうしてもウンともスンとも返事が来ない時に限り、「YES & NO」で答えられる質問をすることがおすすめです。

子供は語彙力も乏しく、自分の心の状態を大人のようにうまく表現ができないことが多いので、平易な言葉で感情を代弁してあげると、安心すると思います。

例えば、

「○○ちゃんは、△△△ということがあったから、今、悲しい気分になったんだね?」

(「はい」か「いいえ」で答えやすい質問をしてあげる)

 

このように、相手の気持ちを具体的に代弁してあげること、わかりやすい言葉で代わりに心の状態を表現してあげて、そして共感する。

この共感によって、子供は気持ちをわかってもらえたと思い、いくらか安心することができます。

 

褒めるところを探し、本人の自信を育む

不登校の子供に多い特徴の一つは、自信を喪失しているという点です。

自分は何をやってもダメだと思い込んでいることが多いので、小さなことでも良いので、自分に自信をつけられる何かを探してあげることをおすすめします。

 

どんな子供にも褒めるところは何かしらあるはずです。

ない場合は作り出す努力をしましょう。

この時、才能とか元々持っている素質ではなく、努力したことを褒められると良いですね。

 

例えば、毎日継続できること、積み重ねができることがあれば、実績が見えるので、とても褒めやすいと思います。

毎日、何か1つのことを続けることで、これまで続けてきたという積み重ねが自信につながりやすいです。

お家の小さなお手伝いでも良いですね。

  1. お洗濯物をたたむことができた
  2. 玄関の掃き掃除ができた
  3. お手伝いを3日連続続けることができた

など、小さな積み重ねを褒めて、小さな自信を育んであげることで、子供達は「自分もやればできる!」という自信を少しずつ取り戻すことができます。

 

不登校を増やさないために・まとめ

何度も書きましたが、現代社会において、複雑な人間関係やストレスを感じやすい子供は多く、どんな子供でも不登校になる可能性が秘められています。

ある日突然、「学校に行きたくない!」と言い出す子供も多く、親御さんがビックリするといったことが実際にあちこちで起きています。

 

不登校は、早く発見し、早く適切に対処することで防ぐことが可能な現象ですから、急に驚いてパニックにならず、冷静に様子を観察し、適切な対応ができるよう頑張っていただきたいと思います。

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ヨッシー

現在、そろばんスクールにて園児から小学生までの、珠算と学習指導をしています。情熱と指導力は誰にも負けない40代の熱血そろばん講師です! 大学時代は教育心理学を専攻し、心理学オタクでもあります。 最近は、子供のやる気アップに関することや、親御さんの悩み解決にまつわることについても情報発信中です!

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