最近、子供の暴力行為の増加が問題になっています。
高校生の暴力事件は減ってきているものの、小学生の暴力行為は平成18年から25年の7年間で何と3倍にも増えているのです。
どうして子供がこんなにキレやすくなってしまったのか、その原因を探ることで親として出来る対処法について考えてみたいと思います。
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どうして子供がキレるの?反抗期だから?
子供には誰にでも反抗期があります。
これは普通のことで、取り立てて騒ぐほどのことではありません。
しかし、今「キレやすさ」が低年齢化していることが問題なんですね。
なぜ小学校の低学年くらいでもイライラしやすくなってしまったのでしょうか。
中間反抗期
以前は反抗期というと、
- 2歳前後のイヤイヤ期(第一次反抗期)
- 思春期(中高生)の第二次反抗期
があるとされていましたが、最近では小学校低学年くらいの「中間反抗期」というものがあるのでは、と言われています。
反抗期であれば、特に理由もなくイライラしたり、キレやすくなったりする可能性はあります。
日々のストレス
最近の子供はちょっと可哀相ですね。
土曜日の授業がなくなったせいで平日の授業が遅くまであり、週に何日も塾や習い事で遊ぶ時間もない。
これではストレスがたまらない方が不思議です。
また、人間関係も昔と比べて複雑になっており、トラブルが起きやすくなっています。
特に女の子は小さい時からグループ化やちょっとしたことでも仲間はずれにされるという問題が増えており、学校に行くこと自体がストレスになってしまう場合もあります。
自尊心が低い
キレやすさは自己肯定感の低さとも関係しています。
自尊心が低いとちょっとしたことでも自分が否定された、バカにされたと感じてしまい、キレやすくなる傾向があるのです。
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甘いものばかり食べている
大人でもお腹がすくとイライラしませんか?
実はお腹がすくのは胃の中が空になるからではありません。
空腹は血糖値と関係しています。
私たちは血糖値が低くなると脳が命の危険を察知して「お腹がすいていますよ、何か食べて下さい」という指令を出すわけです。
血糖値が下がると脳は命の危険を感じているわけですから、イライラしたり不安感を覚えます。
空腹状態で甘いものを食べると血糖値が急上昇しますが、急激な上がった血糖値は下がるのも早くなります。
ですから、甘いものばかり食べている子は「さっき食べたばかりなのにもうお腹がすいた」と感じることが多く、キレやすくなる傾向があります。
子供に菓子パンやジュースばかり与えていないでしょうか。
菓子パンは食事ではなく「お菓子」です。
甘いものばかり食べていると血糖値の乱高下を招き、イライラするばかりでなく、小さくても糖尿病予備軍になってしまいます。
子供がキレてしまったときの対処法
ちょっとしたことで子供がキレてしまう。
そんな時はこうしてみてください。
逃げ場を作る
家の中だったら、ひとりになれる場所を作ってあげます。
特に、壁際に寄り添うように作ってあげると気持ちが落ち着きます。
ダンボールでもカーテンでも何でもいいです、何かしきりを作って、イライラしてしまったらそこに避難させましょう。
一人で狭い場所にいると段々気持ちが落ち着いてきます。
頭ごなしに怒らない
子供がキレてしまった時に、「どうしてそんなことをするの!」と頭ごなしに怒ってはいけません。
その時々で、子供には子供なりの理由があります。
理由を聞く前に怒ってしまうと一方的に否定されたと思ってしまい、余計に心を閉ざしてしまいます。
まずは少し距離をおいて気持ちを落ち着かせることが大切です。
落ち着いてから話を聴く
イライラしている時にあれこれ聞いても、子供も冷静に話すことが出来ません。
ただでさえ小さな子供は、自分の感情を言葉にして伝えることがまだ上手ではないので、気持ちが落ち着くまで待ちましょう。
ここで焦ってはいけません。
どのくらい待てばいいのかはその子によりますから、子供の様子をしっかり見てくださいね。
落ち着ついたかな?と思ったら「さっきは何に怒っていたの?」と理由を聞いてあげてください。
その際も、「そんなことで」と決して否定しないこと。
最後まで口を挟まず、しっかり話を聞いてください。
そして「そうか、そんな風に思ったんだね」と共感することです。
親がしっかりとその怒りを受けて止めてあげれば、怒るのではなくて話をすればいいのだということを子供自身が学んでいきます。
子供がキレないようにするための6つのコツ
キレる原因を踏まえ、親として出来ることは何か、キレる子供にならないようにどうすればいいのかということについてまとめました。
ストレスをためさせないようにすること
ストレスがたまれば大人だってキレたくなります。
まして、感情のコントロールがまだ上手でない小さな子なのですから、ストレスをストレスだと自覚すらしていません。
子供の様子を見て、学校生活や友達関係、習い事などがストレスになっていないかをよく考えてみてください。
習い事がストレスになっているのであれば、通う回数や時間などを調整することも出来るでしょう。
勉強や習い事も大事ですが、友達と遊ぶことから学ぶこともたくさんあるはずです。
また、学校で何かトラブルが起きていそうなときは、子供としっかり向き合って話を聞いてみましょう。
何か困っていることがあるなら、親がサポートできるかもしれません。
食生活の見直し
子供の食事の基本は三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)に加えて、ビタミン、ミネラルをしっかり取ること。
おやつに甘いお菓子は必要なく、おにぎりなどの炭水化物でOKです。
朝ごはんも菓子パンではなく、ご飯にお味噌汁、納豆などの和食がおすすめです。
もしパンが食べたいなら、サラダに卵など、栄養バランスを考えたメニューにしましょう。
朝日を浴びる
夜更かしをしているとギリギリまで寝ていて、起きたら慌てて飛び出して行くというお子さんもいます。
まずは生活習慣を見直し、早寝早起きを心がけましょう。
そして、朝起きたら必ずカーテンを開けて朝日をたっぷり浴びます。
そうすることで体内時計がリセットされ睡眠のリズムも整いますし、セロトニンの分泌量が増えて気持ちがリラックスするからです。
適度に身体を動かすこと
小さな子供は適度に身体を動かすことでストレスを発散できることもあります。
エネルギーが有り余っているとそれをどこで発散したらいいのか分からず、それがストレスになってしまい、キレやすくなります。
休みの日は一緒に公園へ行って、思い切り走り回ってみてはいかがでしょうか。
自己肯定感を高めること
些細なことでは動じないように、自分を信頼できるようにしてあげる必要があります。
親は常に子供が自信を持てるような言葉かけをしてあげたいものです。
今のままでいいのだということ、今ここにいるだけであなたは価値があるのだということを言葉に出して伝えてあげてください。
面と向かって言うのが恥ずかしいなんて言っている場合ではありません。
言葉ではっきり言ってもらうということは、子供にとってとても大切なことです。
また、長所を伸ばしてあげることも必要です。
人の短所、欠点は違う見方をすれば長所にもなりうるものです。
あなたにはこんなに良いところがあるよと、「良いところ」にもっと目を向けて、そこを伸ばすような声かけをしてあげてください。
発達障害の可能性も
色々対処してもうまくいかない、そんな時には発達障害の可能性もあるかもしれません。
発達障害は親のしつけが悪いわけでも、その子が悪いわけでもないのです。
ただ、その状況に対応できないことにイライラを感じてキレてしまうだけのことです。
発達障害は親が素人判断で分かるものではないので、心配なときは専門機関で相談してみることをおすすめします。
もし発達障害だと分かれば、その子の症状に応じた対処をしてあげることが、一番その子のためになるからです。
「怒り」の感情をうまくコントロールすることが大事
怒ることが悪いわけではありません。
怒りというのは行動のパワーになることもあり、人間の感情として必要なものです。
ですから、怒ることが悪いのではなくて、「キレてしまうこと」が良くないのだということを繰り返し話してあげる必要があります。
イラッとしたらその場を離れるなど、一時的に冷静になるための対処を教え、その上で怒りを感じた理由を話すなど解決策を考えます。
怒ってはいけない、とすると、いつか感情が爆発して心が折れてしまうかもしれません。
そうならないように、上手にコントロールする方法を身につけられるようにしましょう。
親がキレないこと
子供は親をよく見ているのです。
親が怒りにまかせて怒っていれば、当然子供だって真似をします。
もし子供がキレやすいのであれば、普段どうやって子供を叱っているのか、一度自分の叱り方を見直してみる必要があるかもしれません。
まとめ
子供がキレるには必ず原因があり、それは話をすれば解決できることです。
原因は一つではないかもしれませんが、しっかり向き合って話をしてひとつひとつひも解いていけば、きっと分かり合えるはずです。
生まれつきキレやすい子供はいないので、その理由さえわかればキレない性格に方向転換していくことは可能です。