子育てしながら働く人が増えてきたことから、これまでと同じようにPTA活動をするのは難しくなっています。
強制的に加入させられたり、役員を押し付けられたりと何かと問題が起きています。
このようなトラブルはどこに相談すれば良いのか、対処法などについてお話しします。
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PTAの問題
少し前までは、「PTAは参加して当然」という、暗黙の了解のようなものがありました。
しかし、公立学校のPTAというのは任意団体であり、入会も脱退も自由な団体のはずです。
本来は入会届をとり、納得した人だけが加入する団体なのです。
しかしこれまでは、入会届も取らず、当然のように会費の徴収も行われてきました。
昨今、個人情報の管理が厳しくなり、PTAが勝手に作っている名簿などにも、少しずつ疑問の声が上がるようになり、ようやくPTAの問題が明るみに出るようになってきました。
これまで当然のように学校側から名簿をもらって個人情報を使っていたPTAの運営方法は、そもそも法に触れる可能性があります。
これらのことを知らずに、PTAは入らなくてはいけないものだと思ってしまい、仕事やプライベートに支障が生じている人もいます。
PTAは任意団体ですから、自分の生活を犠牲にしてまで加入する必要はありません。
毎年春になるとみんなが頭を悩ませる役員決めですが、これも、本来強制することはできません。
PTAに加入することと、役員をやらなければならないということはイコールではなく、加入したからといって必ずやらなければならないものではないのです。
では、PTAの活動で困ったことがあった時、どうすれば良いのでしょうか。
PTAの問題は教育委員会に相談してみる
一つは、教育委員会に相談してみるということです。
ただし、教育委員会というのは自治体ごとの組織なので、PTAに関して同一の見解を持っているわけではありません。
同じことを言っても、A市の回答とB市の回答は違う可能性があるということを覚えておいてください。
教育委員会に相談するときの注意点
まず、PTAに関してどのような見解を持っているのかを聞いてみましょう。
教育委員会に電話をして、担当の人につないでもらい、話をします。
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PTAは任意団体である
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PTAに強制加入させようとするのは違法である
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学校が保有している個人情報を勝手に使うことは違法である
このようなことについて、「この見解で正しいですよね?」と聞いてみてください。
正しい見解を持っていれば「そうですね」と同意してくれるはずです。
いきなりガーッと苦情を申し立てると、「こちらに言われても困ります」となってしまう可能性があるので、教育委員会の人と意見をすり合わせていくことが大切です。
その上で、このようなことで問題を抱えているのですが、と相談してみましょう。
そうすると動いてくれる場合があります。
ただ、教育委員会はPTAに指導をする立場の組織ではありません。
例えば、PTA会長に直に苦情を伝えてくれるわけではないのです。
もし動いてくれるとすると、PTAに対してではなく、学校側に対してです。
学校長もしくは実質的にPTAと関わっている副校長に対して、こういう苦情がありましたということを伝えてくれるでしょう。
教育委員会としてはそれ以上のことはできないので、ここで「PTAに苦情を言って!」と大騒ぎしないことが大切です。
あまり大きな期待はしないこと
あまり期待せずに「注意してくれたらいいな」というくらいの気持ちで話してみることをお勧めします。
学校長に苦情を伝えてもらったからといって、学校側がすぐに何か動くとも思えないからです。
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PTA問題解決のために自分でできること
教育委員会に頼れないとすると、何か自分でできることはないのでしょうか。
本来あるべき姿を説明する
PTAの運営をしていながら、本来あるべき姿を知らない人が多すぎます。
役員さんたちの中には、強制加入が当たり前だと思っている人もたくさんいるからです。
「それはおかしいのではないか?」と思うことがあれば、役員さんに他の自治体の教育委員会の通知例などを示してみるといいかもしれません。
例えば 2018年9月にさいたま市教育委員会が出している「PTA活動の円滑な実施に向けて」という通知が参考になります。
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加入が任意であること
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会員でない保護者の児童生徒が不利益を被ることがないように配慮すること
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役員等の選出において各保護者の事情を十分配慮すること
など、ある意味当然のことが書いてあり、これが本来のあるべき姿です。
参考リンクPTAの違法・強制から保護者を守る! 教育委員会のお助け「通知」を一挙公開
加入しなくても良いし、いつでも脱退して良い
PTAは任意加入なので、加入したくなければしなくていいし、一度加入してみたものの脱退したいと思ったらいつでも脱退できるのです。
仕事が忙しくて活動に参加できないと思ったら、思い切って脱退する勇気を持ってください。
もし余裕ができて、また参加したいと思った時に、再度加盟すれば良いのです。
ただ、その学校のPTAによっては非常にぬけづらいという雰囲気があるかもしれません。
そんな時は法律の専門家に相談するなどしてアドバイスを受けるというのも一つの方法です。
強制加入の場合は会費の返還請求ができる場合も
任意加入だということを知らずに、みんなが入るものだと説明されて加入させられていた場合は、脱退するときにそれまで払った会費の返還を請求できる場合があります。
ここは弁護士などに相談してみましょう。
安易に会費を払わないこと
みんなが払っているからという理由で、もしくは会費くらいは払ってもいいかなと払ってしまった場合には、任意で払っていますので、返還請求はしづらくなります。
また会費を払ったことにより加入の意思があったとみなされることもありますので、加入したくないと思うのであれば安易に払ってはいけません。
もし学校の行事に関連したことで実費が生じる場合にはその分だけ支払えば良いでしょう。
まとめ
PTAは、もはや時代に合わなくなってきている部分が多いのに、見直しが全くされていないのが現状です。
そこで泣き寝入りして我慢するのではなく、一人一人が声を上げていくことが必要でしょう。
トラブルに見舞われたら何らかの行動を起こし、間違いは間違いであると主張していきましょう。