そろばんの資格といえば、「珠算検定」(もしくは「暗算検定」)があります。
とはいえ、そろばんの資格は、履歴書に書くことでメリットがあるのでしょうか?
「資格として書くほどでもないのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。
実は、履歴書は、一概に級や段位だけ書けばいいものではありません。
そこで今回、そろばんの資格を履歴書に書くメリットと注意点について紹介します。
スポンサーリンク
履歴書にそろばんの資格を書くメリット
そろばんの資格と言えば「珠算検定」、そして「暗算検定」があります。
基本的に、珠算検定や暗算検定は、特定の専門分野に関する資格ではないので、基本的にどの職種、業種でも資格として記載することができます。
そしてなんといっても、こうした資格の最大の利点は、計算の速さや頭の回転の速さ、数字に強いという印象をアピールできることにあります。
珠算検定は金融業界や建設業界で役に立ちやすい
基本的にどの業界でも通用するそろばんの資格ですが、特に金融業界や建設業界で役に立ちやすい傾向にあります。
金融ではお金を実際に扱いますし、建設業界では設計書・見積もり書で細かな数字をたくさん扱うからです。
数字が苦手で、計算間違いをよくする人には向かない業界であるため、数字に強いということはアピールポイントになります。
また、頭のなかでそろばんをイメージして暗算できるので、いちいち電卓に数字を打ち込むよりも速く答えを出せます。
営業でとっさに計算が必要な場合にも役に立ちます。
小売業、販売業で金銭を扱うときに役に立つ
さらに、小売業や販売職においても、そろばんや暗算の資格を持っていると便利です。
現代ではレジなどの機械が自動で計算してくれますが、計算機がない場所で消費税を計算するときにも役にたちます。
そろばんは頭の回転も早くなるため、接客でお客様からパッと聞かれたことに対して素早く適切な返答ができるようにもなります。
スポンサーリンク
履歴書に書く珠算検定の種類について
珠算検定は各連盟や団体が認定するものです。
そのため、珠算検定の内容や難易度は、検定を実施する団体によって異なります。
そろばん教室のほとんどは、いずれかの珠算連盟・団体に加盟していることがほとんどで、基本的に生徒は、通っている教室が加盟している団体の検定試験を、そのまま受けることになります。
ここでは、次の3つの連盟を取り上げ、それぞれの検定試験について紹介します。
日本珠算連盟(日珠連)
全国珠算教育連盟(全珠連)
全国珠算連盟(全国連)
日本珠算連盟(日珠連)
まずは日本珠算連盟について紹介します。
日珠連の珠算検定について
日本珠算連盟(日珠連)は、日本商工会議所(日商)から認定された団体です。
1級から6級までの検定試験は、日商から委託される形で、日珠連が試験を実施します。
7級から10級、暗算検定試験については、日珠連が独自に実施しています。
そのため、級位によって検定試験の呼称が違います。
1級から6級まで:日商珠算能力検定試験
7級から10級までと、暗算検定試験:日珠連珠算能力検定試験
検定種目について
日珠連および日商主催の検定には、見取り算、掛け算、割り算の3種目が課されます。
日珠連の暗算検定について
日珠連は暗算検定も独自に実施しています。
級位は1級から10級まであります。
全国珠算教育連盟(全珠連)
次に、全国珠算教育連盟について紹介します。
全珠連の珠算検定について
全国珠算教育連盟(全珠連)は、独自の検定体系を持っています。
日珠連が日商の後援を受けているのに対し、全珠連は文部科学省の支援を受けています。
1級から15級、そして段位(準初段から十段)があり、検定の試験科目が多岐にわたることが大きな特徴です。
日珠連および日商の検定に比べ、級位や段位が細かく設定されています。
全珠連による検定では、掛け算、割り算、見取り算に加え、準3級以上から、伝票算、暗算、開法(ルートを解く問題)、応用計算(文章問題)が加わります。
全珠連の暗算検定について
全珠連でも暗算検定試験があります。
級位は1級から10級、段位は準初段から十段まであります。
全国珠算連盟(全国連)
最後に、全国珠算連盟について紹介します。
全国連の珠算検定について
全国珠算連盟(全国連)は、日珠連や全珠連と違い、1983年に設立された比較的新しい連盟です。
試験科目も多く、級位は1級から10級、段位(初段から十段)、読み上げ算(1級から6級)、読み上げ暗算(1級から6級)があります。
全国連の検定では、読み上げ算と読み上げ暗算は隔月で交互に実施されていたり、珠算3級から伝票算が加わることが特徴です。
リンク財団法人 全国珠算連盟
全国連の暗算検定について
全国連でも暗算検定試験があります。
級位は1級から6級、段位は初段から十段まであります。
フラッシュ暗算検定について
最近では、フラッシュ暗算の人気と普及に伴い、日本フラッシュ暗算検定協会によってフラッシュ暗算検定の実施も増えてきました。
フラッシュ暗算検定は、日珠連、全珠連でも取り扱っているようです。
しかし、専用の機材が必要なため、実施できる場所は限られています。
団体の違いによる検定の難易度
日珠連と日商主催の珠算検定がもっとも計算量も多く、難易度が高いといえます。
全珠連には、伝票算や応用計算など、日珠連にはない種目もあるため、一概に比較できませんが、一般的には、日商の珠算能力検定1級が、全国珠算教育連盟の2段に相当すると考えられています。
履歴書に書くときの注意点
履歴書に珠算検定を記入する際は、つぎの点に注意しましょう。
取得した検定の主催団体・連盟を正しく記載すること
履歴書の資格欄には、ただ級位や段位を書くだけでは不十分です。
どこの団体が行う検定であるかをはっきりと明記しましょう。
例としては、「全国珠算教育連盟主催 珠算検定二段取得」という風に書きます。
また、日珠連実施の検定の場合は、1級から6級の場合は「日本商工会議所 珠算能力検定1級取得」と記入します。
履歴書に書けるのは最低でも3級から
簡単に取れるような級位は書かないように注意したいところです。
小学生でも簡単に取れるような級や、合格するのにさほど時間、努力を必要としない級を書いてしまうと、逆に一般常識を疑われ、逆効果になりかねません。
最低でも、団体問わず3級以上から履歴書に書くのが共通認識です。
まとめ
以上、そろばんの資格を履歴書に書くメリットについて紹介しました。
そろばんは小学生のお子さんが習う場合が多く、中学、高校にあがると部活が忙しくなり辞めてしまう、という人が多いのが現状です。
しかし、3級以上、または段位の検定試験に、小学校にいるうちに合格するケースはなかなかありません。
それだけの練習量を重ねることが必要だともいえます。
特に、今お子さんがそろばんを習っている人で、将来そろばんを習ったことを履歴書に活かしたいと考えているのであれば、少なくとも3級以上を取っておくことをおすすめします。