自分の子供には頭のいい大人に育って欲しいと思っている親御さんは多いと思います。
その頭の良さとは、どのようなことなのでしょうか?
それは、ただ知識がたくさんあるということだけではなく、考える力=思考力が身に付いているということです。
覚えた知識を有効に使える能力、このスキルは今後ますます社会で生きてゆくために必要とされるでしょう。
では、どうすれば子供の思考力を育てることが出来るのでしょうか。
考える力を伸ばすために、親が出来ることについて考えてみました。
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思考力とはどういうものなのか
思考力をつけたい、思考力を鍛えたいと思っても、そもそも思考力とはどのようなものなのかがわかっていないといけませんね。
思考力とは「自分で考える力」です。
計算したり、文章題を解くをという能力ではありません。
こんなとき、どうすれば良いのだろう
どうすればもっと上手にできるようになるんだろう
先生は、この話から結局何が言いたいんだろう
と自分で考えることです。
そして、自分の考えたことを言葉にできること、これが思考力です。
子供の思考力を鍛える方法
思考力はドリルをやって身に付くものではありません。
小学校の勉強は基礎的な「知識」をつけるためのものなので、宿題を毎日やっているだけでは、思考力は鍛えられません。
常に疑問を持つこと
これはどうしてなんだろう
どうしてこうなるんだろう
子供は、常に、いろいろなことに疑問を持ちます。
それを忙しいから、面倒だからと押さえつけてしまうのは大人のエゴなのですよね。
大人は「それが正しい」と知っている、もしくは思い込んでいるので何も疑問に思わないのですが、子供は知らないからこそ疑問がたくさん。
疑問を持つことはとても大事なことなので、子供が「なんでだろう」と思ったら、答えを教えるのではなく、一緒に考えたり、調べるようにしてみてください。
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親がたくさん質問する
考えるには材料が必要です。
そのためには、親がたくさん質問してあげましょう。
今日の学校で一番楽しかったことは?それはなぜ?
(一緒に本を読んで)主人公はどうしてここでこんなことをいったんだろう?
(ニュースを見ながら)総理大臣て、どうやったらなれるんだろう?
など、ちょっとしたことでいいので、考える材料を与えてみてください。
学校の話も、「今日、学校どうだった?」と聞いて、大した答えが返ってこないことがあるかもしれません。
「特になにもない」とか「おもしろかったよ」とか。
そんな時は、もっと詳しく質問して、「どう面白かったのかな?」などの質問もしてみてください。
ここで大事なのは、自分の言葉で自分の思いや考えを話すということです。
答えが正しいかどうかではなくて、聞かれたことに対して自分なりにどう考えるのかということを答えるクセを付けることで、思考力がついていきます。
できないと思わないこと
大人には良くも悪くも「常識」が備わってしまっているため、何かやろうとした時にすぐに「できない」「だめだ」と思ってしまうことがあると思います。
それを子供にまで押し付けないことが大事です。
できないのではなくて、「どうすればできるようになるのか」ということを考えられるようサポートします。
例えば、ゲームのソフトが欲しい。でも、パパやママは買ってくれない。そんなとき、
おじいちゃんにねだってみようか
お小遣いを頑張ってためる
お年玉も使わないでためる
家でアルバイトをしようか
お小遣いの値上げ交渉する
など、方法は色々考えつくと思います。
結果はどうあれ、「考える」ということが大事なので、何でもかんでも「だめだ」と諦めないこと。
頭を使って知恵を振り絞ると、意外にいい案が出てくるものなのです。
子供の意見を否定しないこと
子供の発想ってすごく面白いものです。
大人ではおよそ思いつかないような、突拍子もないことを言ったりします。
でも、それを間違いだとか、違うよと簡単に否定をしないことが重要です。
否定されたらそこで思考停止してしまうからです。
親の小さな世界観で子供の可能性を狭めてはいけません。
子供がおかしなことをいっても、「へえ、おもしろいね。それで?」など先を促して、どんどん話をさせるようにしてみてください。
様々な体験をさせる
実体験するということはとても大切なことです。
しかも、感受性の高い小学生のうちに、様々な体験を通して学ぶことはたくさんあります。
知識は本からでも得られますし、いつでも得ることができることかもしれません。
しかし、知識だけでは思考力はつきません。
自分の肌で感じ、自分で体験したことが知識と組み合わさってこそ、「生きる知恵」になるのです。
”昔から「インテリは使いものにならない」といわれるのは経験に乏しいから知恵がない、応用がきかない、という意味である。こういう人が、一人でなにかをしようとすると、たいてい失敗する”
(外山滋比古『思考力』より)
小さいうちにたくさん経験することは、これからの長い人生において貴重な財産になります。
経験があってこそ、知識も生きてくるのです。
ですから、何でも子供に自分自身でやらせてみること。
料理や工作など家でも出来る体験はたくさんあります。
自分の意見を言える子に
日本人はとても素直な民族です。
先生に言われたことはそのまま受け取る子が多い。
たしかに、親が「先生のいうことをちゃんと聞きなさい」というからですが、ここが問題です。
「おっしゃることを鵜呑みにしなさい」というのではなくて、「先生がどんな話をしているのかしっかり理解しなさい」という意味で伝えなければいけません。
その上で、先生の話に疑問を持ったら「先生それはなぜですか」「先生、それは違うと思います」と言えるような子になって欲しいものです。
親に思考力がないのに子供に思考力はつかない
残念ながら、鳶は鷹を生みません。
親に思考力がなければ、子供に思考力をつけさせることは非常に難しいです。
「考える」ということがどういうことなのかわかっていなければ、子供に教えることはできませんね。
残念ながら、小学校の先生や習い事の先生にそれを期待してはいけません。
学校は学習指導要領に沿って勉強を教えないといけませんので、やり方を一生懸命教える先生は多いですが、思考力を鍛えられる先生は少ないものです。
ですからここは親が頑張りましょう。
難しい勉強を教える必要はありません。
子供と一緒に、常に「考える」くせをつけることから始めてはいかがでしょうか。
子供の思考力を鍛える方法・まとめ
これからは、知識をアウトプットするだけのことは機械、パソコン、AIがやってくれます。
だからこそ、「人間の脳」にしかできないことをする。
それが「考える」ということです。
思考力は急にはつかないので、小学生のうちから日々「考えるクセ」をつけてあげてください。