子供の学習環境

リモート学習のメリットとデメリット【家庭学習を効率化する方法】

2020年4月1日

2020年現在、ウイルスによる感染予防のため、学校が閉鎖になったり、図書館や学習塾でも勉強することができず、自宅で学習する子供さんが増えている状況です。

 

先行きが不透明な状況では、いつになったら学校が再開できるのか、安心して通学できる日はくるのだろうか?と、不安になる親御さんも多いと思います。

 

そこで、今回は、学校や塾などに行かなくても自宅で学習ができるリモート学習についてメリットやデメリットについて紹介したいと思います。

 

リモート学習とは?

一言で、リモート学習といっても、これまでの学校というイメージを持っている方にとっては、それが一体どういう学習方法なのか、想像がつかないかもしれないですね。

 

「リモートワーク」という働き方は、会社に出社せずに自宅や会社以外の場所で、携帯電話やタブレット、パソコン等の機器をフルに活用して、会社に出社せずとも行う仕事のことです。

 

それを学校に当てはめてみれば、リモート学習といえます。

つまり、学校や塾に通わなくても、自宅などで学習ができるのがリモート学習です。

 

リモート学習の種類

一言でリモート学習と言っても、どのようなタイプの学習方法があるのでしょうか?

ここでは、いくつかのリモート学習の例を挙げてみます。

録画授業を視聴するタイプ

指定のウェブサイトに行き、与えられた個人用のIDでログインして、指定された授業の動画を見るタイプが1つ挙げられます。

授業動画があらかじめ録画されてあり、シリーズ化された授業を順番に見て学習していきます。

 

オンラインでのライブ授業

大勢で同じ時間にオンラインで授業に参加する方法です。

設定された授業開始時間にアクセスをして、生放送ライブのような状況で授業を聞くことができます。

 

アプリ学習

スマホやタブレットで、アプリを使って学習していきます。

ゲーム感覚で学習ができることができ、できる子はどんどん先へ進んでレベルアップすることも可能です。

 

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リモート学習の4つのメリット

それでは、ここからは、リモート学習で得られるメリットについてまとめてみます。

 

個人の能力に合わせてマイペースで学べる

学校に行かなくても自宅で学習できるリモート学習の最大のメリットは、マイペースで学べることでしょう。

 

学校で数十人が同じ教室で同じ授業を聴いて学ぶということとは真逆で、自分のペースで完全に自分の勉強のみに集中することができます。

お行儀の悪い子が隣に座っていて、ちょっかいをかけてくるから授業に集中できない、といったことはありませんね。

伸びる子はどんどん自分のペースで課題を進めてゆき、更にレベルアップして、どんどん賢くなっていくでしょう。

 

また、勉強が苦手だという子は、録画タイプやアプリタイプであれば、くり返し学習することができますので、復習の時間を多く割くことによって、基礎力をつけることができるでしょう。

 

落ちこぼれを作りにくい

マイペースで学べることに関連して、教室での一斉授業とは異なって、個別に学習を進めることができるため、「落ちこぼれ」という概念が薄まることでしょう。

 

授業についていけない子が一定数出てしまう教室では、「落ちこぼれ」グループに入ってしまうような子供さんでも、家庭学習で、基礎に戻ってマイペースで学ぶことができれば他の子に比べて劣っていると感じることも少ないと思います。

 

リモート学習では、個人に合った内容を学べることが多いので、例えば、3年生が2年生の内容でつまづいていた場合、2年生の内容に戻って学習することも可能です。

 

学習効率が上がる

リモート学習では、多くの場合学習した記録が残るため、例えば、誰がどこまで進んだか?といった進捗状況を把握しやすいといったメリットがあります。

 

これは、教育する側にとっての大きなメリットですが、サボることができないという点で、学習効率が上がるという利点があります。

 

例えば、「授業動画を5本見ること」が今週の課題であるならば、誰がどこまで視聴しているかを、指導する側は、管理画面から確認することができます。

 

誰がしっかり課題を終えて、誰が課題をやっていないか、教育者側からはお見通しですし、全く進んでいない生徒もすぐ発見できます。

 

また、テストや確認問題などの採点がコンピューターによって自動で行われることも可能ですから、教える側にとっては授業そのものの準備に集中できるのもメリットです。

 

難しい人間関係で悩まない

小学校や中学校といえども、難しい人間関係に悩んでいる子供たちはたくさんいます。

 

いじめや学級崩壊といった、学校に行くことが億劫になるような問題から遠ざかることで、ストレスがたまらず、自由な雰囲気の中で安心して学習することができます。

 

少なくとも、リモート学習が定着すれば、人間関係のごたごたに巻き込まれる心配は減るでしょう。

むしろ、悩む時間をへらし、できた時間を有意義に使って、明るい未来にむけて準備する時間にできると思います。

 

 

リモート学習の4つのデメリット

それでは、反対に、ここからはリモート学習のデメリットについても挙げてみます。

時間管理が難しい

「いつでも勉強できる」ということは、「なかなかスタートできない」ということにもつながります。

「後でちゃんとやるから」、と約束をしても、結局ダラダラと時間だけが過ぎ去り、ついに何もせずに一日が終わってしまった、ということもありえます。

 

これは、学校と違って、誘惑が多い自宅では、往々にして起こることです。

大人でさえ、自宅で仕事をしようと思っても、インターネットやテレビがある環境では、なかなか進まないという経験をした方も多いことでしょう。

 

ましてや、子供にとっては、おもちゃやゲーム、テレビやインターネットなど、たくさんの誘惑を断ち切って勉強に励むということは、なかなか難しいです。

 

ですから、ダラダラしてしまう、後回しにしてしまう、ということは一番厄介な問題です。

 

ライバルがいないので、切磋琢磨ができない

マイペースで学習ができるという点は優れているのですが、ライバルに負けないように頑張るということは少ないと思います。

 

例えば、体育の「かけっこ」で、他のお友達と競争した場合、普段は出ない力が発揮されることがありますね。

ライバルの存在というのは、それなりに自分のスキルやレベルをアップするためには役立つものです。

 

ライバルがいたら、「あの子には絶対負けたくない!」といって、普段よりも更に努力をして勉強を頑張るかもしれません。

1人で学習している場合、比較する対象がいないので、誰かと切磋琢磨することは難しいですね。

 

本来ならばもっと頑張れる子が、ほどほどで、自分の力の範囲内で満足してやめてしまうということもあるでしょう。

 

差が開きやすい

マイペースで学習できるメリットの裏側には、差が開きやすいというデメリットもあります。

例えば、課題をどんどん進めて、上の学年の内容まで学んでどんどんレベルアップしてゆく子供もいれば、課題をやらずにどんどんたまっていってしまう子供もいます。

 

コツをつかんでサクサク進む子供と、課題作成が進みにくい子、この差が広がってしまうことは避けられないでしょう。

学習環境や、習慣形成の違いが大きいのかもしれませんが、ある程度の差が開くことは覚悟しなければならないと思います。

 

一度、学習習慣が身に付いてしまえば、無意識に勉強に向かうことができますが、勉強をしないという習慣がついてしまったら、本当にやらない子も出てくるかと思います。

特に、ゲームにはまっているような子供さんは要注意ですね。

 

課題解決型のグループ学習はできにくい

学校で学ぶことのメリットは、グループ学習ができる点にあります。

一斉授業とは異なり、課題について、グループでディスカッションしたり、試行錯誤を通して課題を解決するといった学習は、1人ではできにくいですね。

 

例えば、理科のように、仮説を立てて、実際に実験をしてみて、課題を解決するといった学習はリモート学習では難しいです。

また、生物を育てたり、書写の時間や、図工の時間も、1人の学習では効率が良くありません。

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効果的にリモート学習をすすめる6つのコツ

スタートする時間を決める

学校や塾の良いところは、授業開始の時間が決まっており、強制力が働くため、嫌でも勉強をスタートせざるを得ない環境があることです。

 

これは、誘惑が多く、チャイムもない、先生もいないという家庭学習では、強制力が働かず、学習をスタートするタイミングをズルズルと逃してしまう可能性が高いですね。

 

それを防ぐ方法として、タイマーやアラームを利用したり、トリガーと言いますが、行動をスタートするためのきっかけづくりが不可欠になります。

 

「学習をスタートする時間を決める」こと、ある程度の「日課をスケジュール化する」ことが、日々の勉強を続けてゆく上で、非常に大切になります。

関連リンク休校中の時間割テンプレート【勉強スケジュールはルーティン化すべし】

勉強までの流れをつくる

先ほどのトリガーに関連しますが、勉強をスタートするまでの流れをつくることも重要です。

例えば、食事の後は、自然に歯磨きをする流れができているように、トイレから出たら手を洗うことが当たり前であるように、「これをしたら、自然に机に向かって勉強をするという流れを作ってしまう」と、学習をスタートすることが楽になります。

 

例えば、以下の流れは一つの例です。

7時から 朝食・歯磨きなど
7時30分から 一日の計画を立てる
8時から 楽器を弾く、1曲歌う、ストレッチをする、など
8時30分から 勉強開始

時間が短くても続けることを重視

勉強のスタート時は、やる気があまり出ない時は、簡単にできる作業のような勉強がおすすめです。

例えば、音読するとか、漢字練習や計算練習のような、書いたり単純計算など、作業をするような学習は進めやすいと思います。

 

ただ、学習スタート時の午前中は、特に集中力があり、クリエイティブなことができる時間帯でもありますので、比較的眠くなる午後に単純作業的なことを行うのもおすすめです。

 

大切なことは、やる気のあるなしに関わらず、短くても良いので、内容もともかく、毎日学習を続けること、に重点を置くことです。

 

とにかく、スタートして、何かしらの達成感を得られるような学習を続けることに、まずは焦点を合わせてみましょう。

これが数日続いて、1週間続き、3週間続いたら、習慣化が間近です。

 

達成したことを見える化する

継続する際におすすめなことは、学習記録をつけることや、行った学習に対して、達成したという印をつけていくことです。

例えば、計画表の中で、終わった学習にシールを貼っていったり、ハンコを押して行ったり、達成したぞ!といった、充実した感覚を小さい達成感でも良いので味わうこと。

 

とにかく、少しでも頑張った自分を、褒めるということが大事です。

そのためには、見える化することが効果的です。

100円ショップで様々なシールを手に入れることができますし、さまざまなハンコも文具屋さんに行けば売っていますね。

 

継続に大切なことは、これまで自分が積み上げてきた記録を作ること、積み上げたことを見えるようにすることです。

その積み重ねを見て、自分が努力してきたことを振り返ることができ、更に頑張ろう、続けようというやる気につながるでしょう。

関連リンク学校の宿題プリントを親が丸付け【答え合わせを楽しむ3つのコツ】

結果ではなくプロセスをほめる

例えば、練習問題の正答率やテスト結果など、数値で表される結果も大切ではありますが、結果や能力を褒めるよりも、努力をした時間や、学習したという過程をほめること、努力を認めてあげることが効果的であるということが知られています。

 

✖「点数が高かったね」

✖「賢いね!」

と褒めるよりは、

○「今日は、△時間、頑張れたね!」

○「毎日学習できているのがすごいね!」

と、プロセスや努力を認めてあげることを大切にしてほしいと思います。

 

プロに頼ってみる

様々な工夫や努力をしても、どうしても家庭学習を進められないという子供さんは、多少コストがかかりますが、プロにお願いしてみるということも、おすすめです。

 

ずっと永遠にお願いするわけではなく、最初の三カ月だけ、学習習慣が身に付くまでの期間限定という形で、有料のサポートをお願いすることも一つの方法だと思います。

以下は、有料サービスの数例です。

家庭教師の派遣をお願いする
インタネットコースのある塾に依頼する
リモート学習専門のコースを受講する(スタディサプリ

リモート学習のメリットとデメリット・まとめ

今回は、今後の利用が増加すると考えられるリモート学習のメリットとデメリットについて紹介しました。

 

自分のペースで学習ができる分、毎日の日課を決めたり、達成感を感じることができないと、ダラダラしてしまう可能性があるのも事実です。

 

より良い学習環境を整え、充実した学習時間を確保できるように工夫してみてください。

なかなか、うまくいかないと思いますが、日々の積み重ねと習慣づけが重要ですので、根気強く頑張ってみましょう。



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ヨッシー

現在、そろばんスクールにて園児から小学生までの、珠算と学習指導をしています。情熱と指導力は誰にも負けない40代の熱血そろばん講師です! 大学時代は教育心理学を専攻し、心理学オタクでもあります。 最近は、子供のやる気アップに関することや、親御さんの悩み解決にまつわることについても情報発信中です!